がんばれコンサルタント! 第528話:「時間ができてしまった」時に何をするのかを決めておく重要性

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「ゴトウさん、最近、独立した先生業の仲間からお誘いを受けることがあるんですが、どうも気乗りがしないというのと心配もありまして…」── 先般、メッセンジャーでやりとりしていた中で、にわかに出てきた話題の一つです。

なんでも、仲間で集まって勉強する…らしく、そこにご一緒しませんか? という話とのこと。勉強そのものは良いことですし、仲間と切磋琢磨していくことはとてもいいことに違いありません。

問題は、勉強というのは建前だけで、単なる妙な集まりになっていく危険性が高い…ということで、ハッキリ言えば「時間つぶしの傷の舐めあいの場」に、身を投じていないか…という話です。

重要なことは、「時間ができてしまった時に、何をするのか…」を決めているか? ということです。こう申し上げると、「そんなことは決めている!」と、ほとんどの人が言い返してくるでしょう。アレもコレも一杯ある、時間が無くて困っているほどだ…と。

しかし敢えて言いますが、果たしてそうでしょうか…? 大前提として、必ず確認しておくべき重要なことがあります。それは、時間ができる…という暇には、良いヒマと悪いヒマがあるということです。このことを理解していないと、せっかくの努力も無駄になるどころか、逆にマイナスになっていきかねません。

当コラムは、社会にでてある一定以上の年月、努力を重ねて活躍されてきている方々がお読みになられていると思います。その前提でいえば、良いヒマとは、みずからの努力で「つくりだした時間」であり、先に何かの目標や目的があり、それを実現するために必死に努力して得たもの…と言えばわかりやすいでしょう。

日々の忙しい活動の中でやっとつくりだした時間です。念願のドライブや海外旅行…、友人とのゴルフやジョギング、山登りや美術鑑賞、時には「やっとの思いでつくりだした何もしない5日間」…といった場合もあるでしょう。これらはまさにリフレッシュ、鋭気を養う貴重な時間となります。

一方で、悪いヒマというのがあります。端的に言えば「できちゃった時間」です。本人の努力などとは無関係に、まさに予期せぬ時間ができてしまった…というものです。これがなぜ悪いヒマなのかと言えば、ズバリ「ヒマな時間を何かでつぶそうとする」からです。

ヒマになったんだから、何かするのが当たり前でしょう…と声が聞こえてきそうです。もちろん、何かをすること自体悪いことではありません。

確認すべきは、「ヒマになってやっていることは、元々予定していたことですか? やろうとしていたことですか?」という話です。なぜなら、そこで起きている現実は、「さも大事と言わんばかりの理由をつけて、その場で思いついたレベルのことで時間をつぶしている」だったりするからです。

「できてしまった時間」とは、電車の待ち時間や予期せぬ隙間時間のようなレベルのことを言っているのではありません。自分がビジネスにおいて活動していく中で、予期せぬことや想定していなかったことによって生じてしまう時間です。

予定していたセミナーや催し物がイマイチ上手く行かず、開催を中止した場合も「予期せぬ時間」の一つでしょう。売れると思っていたものが売れないとき、仕事が順調に進まないために結果としてイライラしながらも時間が余っている状態や、何かと気が乗らずに進んでいない…という時間もあるでしょう。

一つ言えることは、「やりたいこと」は紙に書いてリストにしていたとしても、「やるべきことと、やってはならないこと」を定めていないと、一つ歯車が狂うと「行き当たりばったりの時間つぶしや、やっている風の表面的なこと」を次々にやり始めるということです。

陥りやすいのは、「何でもカンでも手当たり次第」のレベルで対策を始める…というものです。何でもそうですが、やっていいこととやってはならないこと…の判別をせずに、見境なく手をつければどうなるか…。

高級品を売っているお店で、さながら安売りチェーンが行う手法をやれば、結果は火を見るよりも明らかになります。何かをやるよりも、「何をしてはならないのか」を絶対的に知っていなければ、自らの行動で身を滅ぼしていくことになります。

しかも、仲間内の傷のなめ合いの場では、この状況が加速します。実際、冒頭の仲間のコンサルタントは、「相互勉強するという名目のなれ合いの酒場」に以前、足を踏み入れたばっかりに、ずいぶんと時間を無駄にしただけでなく、酒の席でタダでノウハウ教えてもらえると勘違いしていた人たちが、時間が経つにつれやることがドンドンおかしくなっていき、本筋から大きくズレていったというのを目の当たりにされています。

一言でいえば、「やるべきことを定めていなかったから余計なことを始めた」ということで、行き着いた先は、「人知れず消えていった…」だけに、心を痛めているのです。

これら消えていった人たちの典型的なパターンは、「バックエンドまでの手前にたくさんの階段をつくろうとする」ことです。要は「売れないのはハードルが高いからで、それを緩和する低い階段が必要だ」…と。

一見、理論的なようなだけに余計に厄介なのですが、まず確認すべきは、周囲は皆そうしていますか?という話です。そもそも、高級店でお客がこないからといって…客寄せ用の着ぐるみイベントをやったり、購入割引券を配ったり、はたまた割引券があたるイベントを開いたり…? トークが大切だとイベントの司会の練習をしたり…? もはや何が何だか…で、ますます意味不明状態に陥っていく訳です。

体系だった考え、戦略に基づいて、やるべきことをしっかりやるのとは裏腹に、場当たり的な施策で「持て余している余計な時間を、何かやっている風にひたすら小細工に費やす」ことをやりがちです。

他でもない、仲間と酒が入って盛り上がって、ついついやってしまうのです。そして必ず、「つるんでやる」のも典型的なパターンです。

結果は当初の目論見とはかけ離れ、しかも護送船団方式ならではの極めて進行が遅いものになります。自社にとっての最適ではなく、意味不明のすり替えられた「お互い」とか「みんな」という目的のために動こうとするから、ただでさえ遅いものが、余計に遅くなる訳です。その結果はどうなるかは言うまでもないでしょう…。

どうせつるむなら、酒宴なら酒宴、遊びなら遊び、ゴルフならゴルフ…としてやるほうが、どれだけ健全か…という話です。余計な屁理屈を入れるからこそ、怖いのです。

ちなみに、悪いヒマには、当初掲げていた目標をだいたい達成したが、そのあと一体、何にエネルギーを注げばいいのかよく分からない…という持て余しの時間というのもあります。

これは、大きな業績をあげてきた経営者が陥ることがある罠です。目標を掲げて必死に事業を伸ばしてきたのに、その後の自分の人生や会社の未来を描いていなかったりすると、「単なる目標数字の上書き」を始めたり、事業承継の段階になってもズルズルとぬれ落ち葉のごとく晩節を汚したり…。

果ては、傍からすれば思いつきレベルとしか見えない、道楽のようなお店やボランティア的な会を始めたり…。共通点は「やるべきこととして事前に考え抜いたものとは違う」ことであり、実際、それまでに費やしてきたことや関わってきたお客様などとは縁遠いことをやり始めているのを見れば、「あぁ、上がってしまったんだなぁ~」と誰にもすぐに分かることでしょう。

業績が上がっても下がっても「ヒマ」はできます。そしてそれはえてして「悪いヒマ」だったりします。クライアント先はもちろん、コンサルタン本人にとっても、このとき、「何をすべきか、何をしてはならないか」が決まっているかどうかは、極めて重要となります。

むしろ、事前に定めておくことこそ重要と言えます。予定していた事案が上手く進まないとき、何をすべきか。何を絶対してはならないか。自分は何のためにこの仕事をしているのか、この先何をやるのか…と。現在のビジネスとの整合性をしっかり考え抜き、どう進めていくのか…。

あなたは、「悪いヒマ」ができてしまったとき、何をしてはならないか、何をすべきか…をしっかり定めていますか?

著:五藤万晶

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