がんばれコンサルタント! 第523話:コンサルタントが、クライアント先に対してまず最初に行うべきこと

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「ゴトウさん、来月の初めから新しいクライアントさんのところに行くんですが、最初がやはり一番肝心ですよね?…」── 昨年コンサルタント起業を果たされ、いま鋭意活動中のコンサルタント仲間の方と暑い日の夕方に一杯、酌み交わしていたときにでてきた言葉です。

なんでも、この7月から新しいご指導先がスタートするとのことで、その最初の訪問日での実施内容について色々とご質問をされてきたのですが、まだコンサルタントとして活動されて日も浅いということもあり、ご指導に際しての大事なポイントをお伝えしておくことに…。

もちろん、コンサルタントの方の数だけといっていいくらいに、そのご指導内容は千差万別です。同じような系統の例えば販売戦略系であったとしても、それをご指導されるコンサルタントの方の半生が宿っているだけに、コンサルティングの内容は大きく違っているのが当然です。

これは、何か決まったマニュアルや参考書のようなものを覚えて、それに準拠したことを教えるといった定形型の先生ならいざ知らず、自分のやってきたことや積み重ねてきたものを活かしてコンサルタントをする…というスタイルの先生からすれば、「違っていて当然」のことと言えるでしょう。

ですから、ご指導内容そのものについて、ああだこうだ…と申し上げるつもりは毛頭ありません。言ってしまえばそれは各先生方の領分であり、お考えも色々あるでしょう…という話です。

しかし、それでも当社が関わってきた多くのコンサルタントの方々に常に申し上げてきたことがあります。コンサルティング指導において成果を左右する、極めて重要なことだからです。

それはズバリ「意識や考え方を変える」という点です。もう少し分かりやすく言えば、クライアント先が持っている現状の考え方や意識というものを変えない限り、大きな変化を起こすことはできない…という話です。

そう、実に単純なことを申し上げています。根本の考え方を変えない限り変化を起こせない…という、よく耳にするような話です。

しかし、現実的なことを言えば、「やり方を指導」し、「やり方に終始」しているのが、この先生業の世界の圧倒的大多数の現実です。「どうやればいいんですか?」に始まり、「これはAですかBですか?」、「ここまで行ったらそのあとはどうすればいいですか?」…に対して、こうしてください、ああしてください…と。

一見「具体的」に見えるかもしれませんが、よくよく考えてみると、「単なる指示」にしかなっていないことも珍しくありません。

実際、少しでも違ったパターンが生じると、すぐさま「この場合はどうすれば…?」と「同じレベルの質問」がまた違う角度からやってきて、これに答えることを続けていたりします。優しい先生? になれば、「私が代わりにやりましょう」とか「一緒にやってみましょう」といったフレーズが出てきたり…。

そもそも、同じレベルの質問がでてくる…ということは、何も成長していないことの現れですし、代わりにやったり一緒に…とは代行業であり、コンサルティングが終わったらまた元の状態に戻るとしたら、コンサルタントとしてやるべき仕事は何もしていなかったという証拠ということです。

重要なことは、クライアント先がみずから考え、行動して変わっていく…ということを、コンサルタントとしてどうきっかけをつくり、手助けをしながら道筋をつけてその方向に導いていくか…ということです。

このために最も重要なことは、「ああ、こんな考え方があったのか…」、「自分たちの考え方はまだ未熟だったな」、「こんな素晴らしい未来にぜひ行きたい」…といった、現状を大きく変えていく意識変革と考え方の刷新を、クライアントに与えることに尽きます。これがない限り、現状の問題点に対する「小さな改善」、それもやり方を細々と対処的にやることになるからです。

現状に対する意識の変化は、その後の活動ややる気に大きな変化をもたらします。一番怖いのは、「現状における間違った認識」です。

その昔、日本は敗戦からの復興の過程で、「まだまだ!」「追いつけ追い越せ!」とまさに猛烈な努力で、世界が驚く成長を遂げ、世界第2位の経済大国にまでのし上がりました。

80年代から90年代の強かった日本を経験してきた現在の中高年から高齢者の人々は、そのことが頭からなかなか抜けることがありません。「日本はすごいんだ」と。

しかし現実の日本は大きく異なっています。OECD加盟国の中のランキングでも、様々な指標で日本は順位を落としてほぼ最下位ランクで、「もはや先進国と言えるのか?」というのが現実になりつつあります。つまり、先進国という認識がそもそも間違いであると。

語弊を恐れずに、このことを分かりやすく言えば、日本は「発展完了国」、または「過去発展国」などの表現のほうが適しているということです。

少なくとも、「成熟」などといった綺麗な言葉で誤魔化すよりは、先進国でもなければ発展途上でもない状況を鑑みての表現だけに、当たらずとも遠からずと言えるでしょう。

この現状認識に立つとき、「これはいかん!」と思う人がでてくるか、「過去に栄えた歴史に学ぼう」と思う人もでてくるか、はたまた「本当の先進国に学ぼう」と思う人がでてくるか…。

翻って会社においても、「自社の正しい認識」ができている会社は非常に稀だったりします。昔の栄光にしがみついて現実を見なくなった高齢化した会社、二世や三世でただ現状維持的に営まれている会社…。

そもそもそこに気づいていないケースが大半であり、だから現状の僅かばかりの対策に終始して、ほとんど変わらないことを延々と続けていたりします。

これは当然ながらコンサルタント個人にも言えることです。自分の本来の可能性や未知の可能性を考えず、ただ昨日、今日、明日の日々のつながりの延長で、ちょっと何かを覚えるとか学ぶといったことをいくら繰り返していても、大した変化など起きない…という話です。

会社も個人も、大きな変化をもたらすものは根本の考え方や認識の変化です。これがあってこそ、次に繰り出される打ち手が大きな変化をもたらし、成果にも大きくつながっていくのです。

あなたは自分の認識が変わったという実感を持っていますか?
クライアントの認識を変えたという実感を持っていますか?

著:五藤万晶

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