「ゴトウさん、ここのところの制…
がんばれコンサルタント! 第746号:コンサルタントが知っておくべき「チャンスはほんの一瞬しかない」という冷徹な現実

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「ゴトウさん、家族の具合が悪くて、なかなか続きを進められる状況になれなかったんですよ…」── 5ヶ月ぶりくらいにコンサルティングの続きにお越しになられた方が、開口一番に話されたお言葉です。
事情を伺えば、ご家族の体調や精神状態が思わしくない時期が続き、自分のビジネスのことに集中できる状況ではなかったとのこと。実にお心苦しいお話だったのですが、実はこのようなビジネスに集中できない…というような状況は、内容は様々ありますが決して少なくありません。
動きたい、動かなければ…と、頭では分かっていても、どうしても動けない理由が目の前にあったりします。こうした状況は、コンサルタントを目指す方に限らず、ビジネスにかかわっているすべての方に、多かれ少なかれ起こり得ることでしょう。
なんとも歯がゆいところですが、ビジネスの展開にしろ、起業・独立にしろ、自分の思ったタイミングだけで動けるということは、極めて稀なのが現実です。
お子さんの受験を控えている、配偶者のご両親の健康状態が気になる、勤め先で大型プロジェクトを抱えている…。こうした状況の中では、「自分のことで周囲に影響を与えてしまう」ために、なかなか思い通りのタイミングでスタートを切れないということは、むしろ当然のことと言えます。
しかし、問題はここからです。
そうした「動けない理由」が一段落したとき、果たして次のチャンスのタイミングがすぐに来るか、いやもっと言えば「次のチャンスはそもそもあるのか?」という点です。ここに、多くの人が気づいていない冷徹な現実があります。
自分が思っているより、与えられるチャンスはほんの一瞬しかなく、しかも1回きりかもしれないのです。
これは感傷的な話でも、精神論でもありません。構造の話です。起業・独立を例にとれば、「踏み出せる窓」が開いているのは人生の中でそれほど長い期間ではないからです。
自分の仕事の力はもちろん、ポジション、家族の年齢と状況、自分自身の体力と気力、経済的な余力…これらがある程度揃うタイミングは、考えてみれば相当に限られていることが分かります。
一つが整えば一つが崩れ、また整えば別の何かが重なってくる。全部揃うことなどそもそも奇跡に近いレベルなのですが、気づけば「いつか、いつか…」のまま、3年が経ち、5年が経ち、月日だけが静かに過ぎ去っていく訳です。
これが、よくある「機を失する」パターンの正体です。実態は、「動けなかった」のではなく、「動ける一瞬を見過ごし続けた」という結果としての「見逃し三振」が残った、これが現実だったりします。
では、この現実を乗り越えた人と、足踏みを続けた人との間には、何の差があったのか。
準備の質と量、という答えが真っ先に浮かぶかもしれません。もちろんそれは間違いではありません。しかし、語弊を恐れずに申し上げれば、最も根本的な差は「チャンスはほんの一瞬しかない」という理解が、本当の意味で腹の底に落ちていたかどうか、ただそれだけです。
この理解が腹に落ちている人は、動きが根本から変わります。ご家族の状況が落ち着いた「わずかな隙間」をただの「休息の時間」として使うことなどありません。
会社の大型プロジェクトが終わった翌週を「少し休んでから動こう」などと先延ばしにしない。「あと半年もすれば状況が整う」という見通しが立ったなら、その半年の間に準備を限界まで積み上げておく。そして、そのタイミングが来た瞬間を、まさに全力で掴みにいく。
一方で、この理解が薄い人は、チャンスを「いつでも手を伸ばせばある程度は来るもの」として扱ってしまいます。「今回は難しかったけど、次の機会に…」という甘い考えが出てくる。しかし、その「次の機会」が来るかどうかは、誰も保証していないのです。
単純な話、自分でチャンスをつくった訳ではないだけに、もう一度チャンスが巡ってくる理屈は、まったくの偶然や奇跡のレベルでしか起こり得ないのです。
このため、「単に自分が思ったタイミングで動けばいい」「チャンスは何度もやってくるもの」という、どこか他人事のような感覚でいる限り、何年経っても状況は変わりません。しかも、チャンスが来なかったのではなく、チャンスが来ていたことにすら気づかなかった、というのが本当のところだったりします。
ここで誤解してほしくないのは、「だから家族のことより自分のビジネスを優先せよ」などという話では、まったくない、ということです。そんな乱暴な話をしているのではありません。
家族の状況が厳しいとき、それに向き合うことは当然のことです。会社の仕事を全うすることも然りです。問題は、その時間の中で「準備をやめてしまうかどうか」という点です。
動けない時期に、動けないからといって思考と準備まで止めてしまう人。動けない時期を、次のタイミングが来たときに即座に動けるための準備期間として活用する人。この差は、チャンスが訪れた瞬間に歴然とした差となって現れます。
ビジネスで苦戦している時も同じです。停滞しているときも思うように動けないときも一緒です。
貴重なチャンスは、普通に過ごす日常の中で毎日少しずつ消え去っています。これは、誰かが奪っているのでも、運が悪いのでもありません。気づかないままでいることで、自ら手放し続けているのです。
「動けるようになったら本格的に動く」ではなく、「いつ動けるようになっても即座に動けるように、今から準備を積み上げておく」、「次のチャンスをモノにするために、ビジネスにしっかり投資をしておく」といった発想への転換が、この問題を突き抜ける唯一の方法です。
自分が思ったタイミングだけでは世の中は動きません。しかし、準備だけは自分のコントロールの範疇です。その準備を怠っている限り、どれだけ良いタイミングが来ても、指の間からすり抜けていくだけです。
あなたは、ほんの一瞬しかないチャンスを掴みにいく準備を、今この瞬間も積み重ねていますか?
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