「ゴトウさん、ここのところの制…
がんばれコンサルタント! 第734号:「わかっているハズなのに…」── コンサルタントが押さえておくべき違和感放置の危険性

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「ゴトウさん、わかっているハズなのに何でですかね…」── 数週間後に大事な案件を控え、「念のために確認をしたい…」とご相談にお越しになられた方が、ぽつりと漏らされた言葉です。
ご本人的には、「これなら大丈夫のハズ」という自信がそれなりにあったとのこと。ただし、「念のために…」という気持ちでお越しになられたのですから、100%の確信があった訳ではないのでしょう。
不安通り? かどうかはともかくとして、残念ながら、内容は「完全にヤバい」ものでした。もしご相談にお越しになられていなかったら、と思うと、文字どおり「エライこっちゃ!」という事態の可能性が極めて高かったに違いありません。
こうした「結構自信があったのに…」というご相談事は、実は決して珍しくありません。特に、コンサルタントとして駆け出しの方の場合などは、半分くらいの確率で「それはマズイですよ…」というケースがある、と言えば大げさに聞こえるかもしれませんが偽りのない現実です。
ただ、一つ重要なことがあります。それは、「どこかで何か違和感がある…」からこそ、わざわざご相談にお越しになっているという事実です。
もし本当に100%の自信があったなら、相談などせずにさっさと実行しているに違いないでしょう。何の疑いもない事に、いちいち誰が相談などするのか…という話です。
わずかな違和感、その「小さなひっかかり」こそが、今回、最悪の事態を防いでくれた立役者なのです。
この「違和感」というものは、極めて重要なセンサーです。立ち止まったり、危険を察知したり、方向転換をするための、人間に備わった最も鋭い感覚とも言えます。
「あれ? 何か違うような気がする…」を絶対に放っておかない。これができる人は、失敗から遠ざかっていきます。一方で、これを放っておく人は、失敗にどんどん近づいていっている人です。シンプルですが、これが現実なのです。
重要なことは、上手くいく人、成功していく人は、「判断軸・判断基準」というものを深く理解し、自分のビジネスにおける軸をつくっていこうとします。正解を「覚える」のではなく、正解を「導き出すための軸」を手に入れようとするのです。
一方で、なかなか芽が出ない人は、「この時はこれが正解」とばかりに、答えだけを聞いて満足し、それを覚えようとします。次の案件で少し条件が変わると、その「答え」はほとんど役に立たなかったりします。
当たり前ですが、世の中常に変化していますし進化もしています。同じ案件など二度とやってこないのが現実です。すなわち丸覚えで同じ判断が下せるものなど二度とないのです。だから毎回、一から迷い直すことになるわけです。
一方、成功していく人は、大事な判断をする前に必ず「判断の基準」をつくることに注力します。軸や基準があれば、変化にも対応した答えをだせるようになるからです。これが、ある時期を境に、両者の間に取り返しのつかない差を生み出していくのです。
なぜ「判断の基準」がそこまで重要なのか。理由は明白です。自分のビジネスを展開していくということは、自分のビジネスにだけ起こる判断を迫られる場面が次々に生まれるからです。
他人のビジネスをやるわけではないのです。あくまでも自分のビジネスをやるのです。これが腹の底でわかっていないと、いつまでも他人の作ったビジネスを、他人の判断基準を鵜呑みにしたまま「なんとなくやっている風」を続けることになります。
世の中が進めば、常に新しい問題に直面します。軸がなければ、その都度、一般論に頼るしかなくなります。
一般論は、紙の上では正解だったり、質問に対する答えとしては正解だったり、昔だったら正解だったりします。しかし、今現在を生きて戦っている自分のビジネスにとって正解かどうかは、まったく話が違ってくるのです。
とりわけ、当社が強くお伝えしている「似て非なる仕事」の場合、この差は致命的です。例えば、講演家とアナウンサー。どちらも「しゃべる仕事」として似ているように見えますが、まったく異なる仕事です。
アナウンサーは原稿をきっちりと聴き取りやすくしゃべるのが仕事。講演家は、内容で引きつけて聴衆を魅了するのが仕事。片方での正解が、もう片方では不正解になったりします。
これをよく理解せずに一般論で進めてしまうとどうなるか…。気づいたときには、すでに後戻りできない場所に立っている、ということが起きるのです。
「あらゆることについて、全知全能になることは不可能」です。そんな万能な人間など絶対にいません。あり得るのは、特定の分野に関して秀でている人がいる…ということだけです。これが専門家であり、プロであり、我々コンサルタントの領域だったりします。
だからこそ、重要なことは、「自分のビジネスにおいてアドバイスしてくれる参謀的な人を見つける」ことです。トータルで見てくれる人が理想ですが、お金の面や戦略的な面、販売促進や技術面…など、それが部分部分であっても構いません。そして何人かいるとなおよいでしょう。
我々コンサルタントの存在は、クライアントに対してそうした参謀的な立ち位置だったりします。一方で自分のビジネスにおいても盲目になりがちな自分に対して、客観的に見てくれる存在を用意しておく必要があります。
自分の判断だけを過信して突き進んでいく人は、「わかっているハズ」という自信が、いつしか盲点をつくり出します。今回ご相談にお越しになられた方のように、違和感に気づいてブレーキを踏めた人はラッキーです。ブレーキすら踏まずに崖へ向かっていく人が、現実には少なくないのです。
あなたには相談相手や、参謀はいますか?
本当に大事な局面で、「念のために…」と訊ける存在が、あなたのビジネスの傍らにいますか?
そしてあなた自身、クライアントに対してそのような存在になれていますか?
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