がんばれコンサルタント! 第731号:独立したのに「何か違う…」と感じたら、まず疑うべきこと

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「ゴトウさん、コンサルティングのほうですが、まずは順調に進んでいる感じです!」── 昨年から当社のセミナーそしてコンサルティングにお越しになられたコンサルタント仲間の方から、ご報告いただいた言葉です。

少し照れくさそうな印象でしたが、確かな手ごたえを感じているようでホッとしたのですが、実はこの方、かなり名の知れた会社にお勤めされていた方で、独立を決意するまでは、社内でも一目置かれる存在だったとのこと。

「よし、やってみよう!」と踏み出したときの高揚感は、相当なものがあったに違いありません。しかし、いざ独立してしばらくすると…「あれ?何か違う気がする」という感覚が、ジワジワと込み上げてきて…。

そのモヤモヤが解消できず、当社のセミナーにお越しになった…ということですが、では、いったい「何が違った」のか…。

多くの場合、例えばこんな感じで気づいたりします。ある日のスケジュール表を眺めていたとき、みっちりと埋まった予定を見て、「これ、誰かの指示通りに動いているだけじゃないか…」すなわち、「下請け作業員をやらされている」と気づいてしまったときです。

形の上では独立している。名刺にも「コンサルタント」と刷ってある。しかし実態は、以前の組織の中とさほど変わらない、いや、ある意味それ以下の状態では…?

保証もないし、仕事がいつまであるかもわからない。描いていた独立後の姿とのあまりのギャップに気づいてしまい、愕然としてしまうというパターンです。

この構造は、実は極めて普遍的な問題です。独立したくて独立したのですから本来目的達成?のはずです。

だからこそ問題なのです。当たり前ですが、「〇〇を実現したいから独立する」という場合、独立はあくまで手段のはずです。問題は、この手段が、いつの間にか目的に化けてしまっていることにあるのです。そう、自分も気が付かない内に。

独立することに必死になり、独立そのものを達成した安堵感で、「そもそも何のために独立しようとしたのか」が、どこかに置き去りになってしまう。「こんなはずじゃなかった」「何かおかしい」「報われない」…。これらの声の大半は、この構造から生まれていたりします。

どれだけ美辞麗句で飾ろうとも、仕事の実態を判別するのは極めてシンプルな質問一つでこと足りてしまいます。それはズバリ、

「満足のいく仕事か、満足のいく対価か?」

──これだけです。ぜひ自問自答してみてください。

仕事にやりがいがなければ、一過性的にはがんばれても、やがて情熱を出し続けることはできなくなります。やりがいがあっても報われる報酬でなければやはり納得がいかないし、長く続けることはできない。

どちらが欠けても、「違う」という感覚は消えません。二つは、揃って初めて、強く長く「自分のビジネスとしてやっていくことができる」ようになるわけです。

「満足のいく仕事か」は、自分の経験やノウハウが活かせるかどうかによって大きく差がでる問いでしょう。「満足のいく対価か」は、それが正当に評価されているかどうかの問いです。

シンプルですが、この二軸で自分の現状を点検してみると、多くの場合、どちらかが、あるいは両方が欠けていることに気づいたりします。

もちろん、やっていくうちにより一層の高見を目指していこうとするのも人間です。独立したばかりのころと、10年経った後で、同じレベルの満足度基準という人はまずいないでしょう。ですからこの傾向値もとても重要です。

しかし、いずれにしろ「満足できるものか?」ということだけは確かです。自分に素直になった問うてみるべきでしょう。

冒頭の方も、まさにこの二軸で自分の状態を整理したとき、初めて「問題の本質」が見えてきたのでしょう。では、この問題にどう向き合うか…。

コンサルタント商売、中でも、自分独自のノウハウを体系化して指導する「独自独立系コンサルタント」は、この悩みを現実的に超えていくことが可能な商売の一つです。

なぜなら、自分が積み重ねてきた無形ノウハウを商売道具として使うことができるからです。いくら利益がでやすい商品でも、自分がどうしても思入れができなかったり、共感できない商品だったり、他人と同じ商品だったり…では、どこかで満足できなくなる可能性が高いからです。

自分の人生を活かした自分だけの商品であれば、当然思い入れも強いものになりますし、まさに自分だけの商品です。当然満足度も極めて高くなります。

また、高粗利かつ無在庫、社員も社屋も不要な、極めて身軽なビジネス展開が可能というコンサルティング商売特有の魅力も見逃せません。これほど条件の揃った手法は、他を見回してもちょっと思いつかないでしょう。

「自分には特別なノウハウなんてない」と思う方もいるかもしれません。しかし、長年の仕事の中で培ってきた経験や判断基準、現場での肌感覚…それ自体が、他の誰も持っていない、あなただけの資産です。それを体系化することが、コンサルティング商売の核になっていくのです。

ただし…ここで一つ、厄介な落とし穴があります。「コンサルタント」という肩書は、今日からでも自分でつけることができます。名刺にも、SNSのプロフィールにも、ウェブサイトにも。これほど気軽につけられる肩書も珍しい。

しかし、肩書は思い通りにつけられるが、プロか自称かを決めるのはお客様だという点です。これは厳然たる現実です。

肩書をつけた瞬間に、コンサルタント商売が成立するわけではありません。「コンサルタント商売とは、何をやるのか。どうやってビジネスを回すのか」…。ここをきちんと押さえずに、なんとなく看板だけ掲げた状態でいれば、どうなるか。

よくある行き詰まり方には、共通したパターンがあります。名刺を配って知人に声をかけ、とりあえず「何でもやります」という姿勢で受けてしまう。

その結果、単価が低く、手間だけがかかる仕事が積み上がっていく。気づけば、以前の職場で部下にやらせていたような作業を、自分が一人でこなしている…。これが「下請け作業員」の正体です。

カタチを整えることと、商売を回すことは、まったく別の話なのです。あなたは今、この瞬間、どちらにいますか?

満足のいく仕事をしているか、満足のいく対価を得ているか。この二つのどちらかに「NO」があるなら、それはすでに黄信号か、もしくは赤信号が点灯しているのかもしれません。

時間は、気づかないうちに過ぎていきます。「そのうち何とかなる」と思っていた半年、一年が、気づけば三年になっている。そしてその三年が、まるごと「下請け作業員」として費やされてしまっていたとしたら…。

冒頭の方が「順調に進んでいる」と言えるようになったのは、立ち止まって本質を問い直したからです。独立を手段に戻し、本来の目的を再び目の前に据えたからです。

あなたは、本来の目的に向かっていますか?

著:五藤万晶

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