「ゴトウさん、ここのところの制…
がんばれコンサルタント! 第728号:コンサルタントを目指すあなたの「違和感」は、まだ眠ったままですか?

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「ゴトウさん、いろいろ経営支援をやってきたんですが、何か納得ができなかったんですよね…」── コンサルタント仲間と、ビールジョッキを傾けながらわいわいやっていた席で、ふと出てきた言葉です。
診断士として独立してから数年、それなりに現場を踏んできた方です。決して怠けているわけでも、勉強していないわけでもありません。むしろ、非常に真面目にやられていた方ですが、やればやるほど、何かが引っかかっていたというのです。
「こうすればもっとよくなるのに…」、と感じる場面があって、自分の中に、一般論とはちょっと違う想いがある。しかしそれをうまく説明できない…。
クライアントは「そんなことより売れればいい」と短絡的で、結局は付け焼き刃的な指導に終わってしまう。指導が終わったあと、ため息まじりに思うのは、「忙しいわりに、報われるようなお金に全然ならない…」と。
AIが台頭し、ChatGPTをはじめとした生成ツールが、あらゆる業種の「教科書的な答え」を瞬時に出すようになってきました。中小企業診断士の試験対策だって、マーケティングのフレームワーク解説だって、補助金申請の文例だって、今やAIが一発で叩き台を出してくれる時代です。
DXの推進という名のもとに、「標準化」「マニュアル化」「効率化」の波が、経営支援の現場にも津波のように押し寄せています。では、「教科書に書いてあることを伝える」という役割は、果たしてどうなるのか?
ここで押さえておくべき極めて重要なことがあります。それは、「教科書に書いてあることは、すべてと言っていいほど一般論」だということです。特に他意はありません。それ以上でも、それ以下でもないという意味を正しく理解してください。
現実の世の中は、すべての企業で条件が違います。業種も違う、社長の器も違う、スタッフの質も違う、地域も違う、タイミングも違うのです。「同じ条件は絶対にない」と言っていいほど、すべての局面が違うのです。
だから、一般論をそのまま現場に当てはめようとすると、必ずひずみが生じることになります。どこかでつっかえる。うまくいかない。そしてそのとき、現場感覚の鋭い人は「あれ…?」と感じるのです。その「あれ…?」こそが、重要なのです。
ところがその違和感を、多くの人は大事にしません。理由は単純です。「教科書に書いてない」からであり、先輩などに聞いても相手にもされず黙殺されるからです。
そのとき何が起きるか…。「自分の理解が足りないのかな」と引っ込めてしまう。あるいは、「教科書にはこう書いてあるから、これが正しいはず」と自分を押さえ込んでしまうということが起きます。
断言しますが、これは実にもったいない選択です。なぜなら、プロは自分の違和感をとても大事にし、それを徹底的に追求し、自分の感性に忠実に磨きこんでいくからです。
ピッチャーでも、超一流になると独特のフォームで投げる人が多いのは、一般的に正しいとされる投げ方では「自分には違和感」があり、自分に忠実に磨きこんでいったことで独自のフォームが完成しているのです。
言葉は悪いですが、「リトルリーグ」で戦うのか、「プロ野球や大リーグ」で戦おうとしているのか…という話です。それによって、話はまるで違ってくるからです。
要は、あなたが、どこかのアルバイト的な講師をやるというのなら、それはそれで型どおりにやるのが「正解」でしょう。
ビジネスにおいても、新人ならまず一般論を覚えて…というのは筋としてよくわかる話です。しかし、教科書に書いてあるようなマーケティングや商品開発、経営改善論などでクライアント指導をしようとするなら、それはヤバいと思わない方がどうかしている…というものでしょう。
違和感とは、経験と現実がぶつかったときに生まれる「ズレの感知」だからです。経営指導をはじめたばかりなら違和感を感知することはまずありません。ハッキリ言って何もわかっていないからです。
経験を積んで何年もやってきたからこそ「何かおかしい」というシグナルを感じれるようになります。それを封殺するのかどうか…という話です。
冒頭の方が口された、「報われない」という言葉…。その言葉の裏には、お金の問題だけではないものがありでしょう。
自分が感じている「本当のこと」を、うまくカタチにできていない。あるいは、カタチにする一歩を踏み出せていない。そのもどかしさが、じわじわと蓄積してきている。それが口にでてきた言葉…なのではないでしょうか。
経営支援の現場、技術指導の現場、訪問指導先の現場…などで、「こうすればうまくいく」という手応えを、これまでいくつ積み上げてきましたか? その手応えは、今どこにありますか? ノートの端に走り書きされたまま眠ってはいませんか?
大事なことは、自分が感じてきた「こうすれば上手くいく」というものを信じて抽出し、しっかり指導できるようにメニュー化しているかどうか…。
あなたの下積みで培われた違和感を、整理して言語化して、クライアントに提供できるカタチにする。それが「あなただけのコンサルティング」の原石になるからです。
教科書に書いてあることを鵜呑みにして、AIが瞬時に出せる答えを少し遅れて提供するだけなら、それこそAI以下にしかなれません。誰でも言える一般論を繰り返すだけなら、クライアントは「そんなことなら検索すれば出てくる」と思い始める。いや、もうとっくにそう思われはじめているのが、今の時代です。
だからこそ、あなたの違和感には価値があります。その違和感が磨かれ、体系化されたとき、それはAIには絶対に生み出せない「生きたコンサルティング」になります。そしてそれが、多くの経営者を本当の意味で救うことになります。
標準化・マニュアル化の波が押し寄せる中で、あえて「自分の違和感を磨く」ことの意味は、実は以前より格段に大きくなっています。みんなが同じ方向に流れていくからこそ、そこから外れた「本物の差異」がより際立って見えてくるからです。
あなたは今、自分の違和感を大事にしていますか?
それはまだ、言語化されないまま眠ったままになってはいませんか…。
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