がんばれコンサルタント! 第726号:コンサルタントが必ず知っておくべき、「ビジネス認知症」の恐怖

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「ゴトウさん、先日訪問してきたクライアントさんですが、「決断保留…」の状態で困っているんですよ…」── 親しいコンサルタント仲間と夕方から一杯やっていた際にでてきた、ちょっとため息まじりのお言葉です。

なんでも、AIが浸透してきているので早く対応すべきと、社内からも声が上がってきているのに二世経営者が判断せずに保留したまま…なのだとか。

「判断の保留」とは聞こえがいいですが、それがもし、「変えないのが方針」だったり、「変えるべきか変えないべきかの判断軸がない」だったり、「そもそも、実はわからないので判断できない」…だとすれば、これは極めて危険と言わざるを得ません。

そう、まさに「ビジネスにおける認知症」状態です。その症状は、知らぬ間に「同じことを繰り返している」「変える必要性に気づかない」「そもそも変えようとも思っていない」…だったりします。

この症状になった人の特徴は、「変えないことを良しとする」特徴があります。「素晴らしいものだから変える必要はない」「変えることは悪である」…と。

ハッキリ言ってヤバい状態です。老舗の蕎麦屋を想像してみてください。創業50年や100年…。変わらぬ味で愛され続けている名店は、本当に「何も変えていない」と思いますか?

老舗は、ただ古いレシピを守り続けている訳では決してありません。時代に合わせて、店も作り方も味も少しずつ変化させていってたりします。

「変わらない本質」を守るために、日々変え続けているのが「長く続いてきた店=老舗」というのが現実です。

額面通りに「変わらない良さ=何も変えない」などとやっていると、あっという間に時代に置いて行かれ、「古い」となるのが世の中です。世の中、日々お客さんは進化しています。要するに、「古い=老舗」ではなく、「常に新しいから長く続いている=老舗」なのです。

ひるがえって、先生業の世界でも、「10年前と同じ講演」や「何十回とやってきた研修」、「昔と同じ手続き」、「何年も前からのお決まりの指導内容」…などを、今もそのままやっているとしたら…。

断っておきますが、新しければいい」などと言うつもりはありません。問題は、その「やっていること」「内容」「プログラム」…などが、本質的な価値を提供するために、日々進化させようとしているのか? という話です。

我々は、作業や話をするのが仕事ではなく、仕組みや価値を提供することが仕事です。だからこそ、「今の時代のお客様の課題に本当に応えているかどうか?」…、自分自身で検証し続けることが極めて重要となります。

理解すべきは、「売りモノは生き物」ということです。

かつて、コンサルタント業に限らず、様々な先生業において、様々な流行があり、それぞれの時代に「旬」がありました。そのときどきにおいて、波に乗った人はわが世の春を謳歌するかのごとくもてはやされたりします。

しかし、旬というのは必ず陰りがでてきて、次の流行りモノが登場してきます。当たり前のことです。そもそも流行というのは、「その人がつくったものではない」ということを理解すべきでしょう。

世の中の流れであり、時流に上手に乗ることと、自分の牙城をつくっていくこととは大きく違う話です。流行りを加味しながらも牙城をつくっていく…。流行や旬の「賞味期限」は、私たちが思っているよりずっと短かかったりします。

しかし、多くの人が、その賞味期限を確認しないまま、同じ「メニュー」を提供し続けています。クライアントに「変化への対応」を説きながら、自分自身は何も変えないまま10年前の手法で稼ごうとしたりします。これは笑えない話です。

では、何を刷新すべきなのか。

重要なことは、「手法」と「本質」を分けて考えることです。馬が鉄道になっても、タクシーが自動運転になっても、FAXがメールになっても、営業にAIが導入されても、料理の作り方が変わっても、モノの届け方が変わっても…、「お客様に価値を提供する」というのがビジネスである本質は変わることはありません。

再度申し上げますが、価値を提供する。それが商売の本質です。だからこそ、コンサルタントとして「クライアントの課題を解決する」「ビジネスを革新する仕組みづくりをする」という本質は変わりません。しかし、その本質を提供するための「道具」「切り口」「考え方」「伝え方」…は、時代とともに積極的に刷新していくべきでしょう。

重要なことは、時代に追い詰められて、「ビジネス認知症」になっているにも関わらず、強制的に退場させられるようにして気づかされるのか、自分から積極的に健康体を維持しようと自ら変えていくのか…。

自ら気づくために必要なことは、自分のビジネスの核をしっかり定めておくこと、すなわち自分の「売りモノ」を「体系化」しておくことです。体系化されていれば、どこを刷新すべきかが明確だからです。

逆に、なんとなく積み重なってきた経験を、なんとなく売っている状態」では、何が古くなったのかすら気づくことができません。そう、認知症に自らは気づけないのです。

「いつか整理しよう」「そのうち体系化しよう」と言い続けている間に、あなたの「認知症」は静かに進行していきます。それが恐ろしいのです。

あなたの自分のビジネスの現役時間を少しでも長く保つために「健康診断」を受けていますか?「売りモノ」は、今日この瞬間、自信を持って「現役」と言えますか?

 

著:五藤万晶

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