がんばれコンサルタント！ 第66話：コンサルタントが持つべき時間軸

第66話：コンサルタントが持つべき時間軸

　先日、ご相談にお越しになられた方から、「これから順番に進めていこうと思っていますが、コンサルタントとして活躍できるようになるには、ざっとどれくらい時間がかかるものですか？」という質問がありました。

　これから、コンサルタントとしてやっていこうと考える方にとっては、非常に気になることに違いありません。では、実際にどのくらいかかるのかと言えば、早い人と遅い人がいるので、画一的にはなかなか申し上げられないのが正直なところです。

　しかし、あえてお伝えするなら、早い人なら、一年ほどで結果を出して評判が紹介を呼び、益々コンサルティング先が増えていくという好循環が起き始めます。ざっと二、三年くらいでいい感じになる人が多いといったところでしょうか…。

　一方で、いつまでたっても鳴かず飛ばず…という人もいます。才能がない訳でも、何かのハンデを負っている訳でもありません。でも、全然売れない…という状態の人がいます。

　売れていくきっかけをつかめない人には共通点があります。それは、「やるべき準備と努力を徹底しない」…という点です。

　何でもそうですが、何かを立ち上げて軌道に乗せていこうとするなら、準備と努力は絶対に欠かせません。一流コンサルタントとして活躍していこうとするなら、当然ですが、それだけ準備と努力が必要なのです。

　当り前のことを言っているように聞こえるかもしれません。しかし、うまく行かない人に限って、この当然のことを疎かにしていることが目に付きます。

　聞いてみると、「自分は、これだけ努力しているし、こんなにやっているのに、なかなかうまく行かない…」と答えが返ってきます。実際、端から見ても、間違いなく努力はしているように見えます。

　しかし、努力はしていても、「準備」の方が抜けているケースが非常に多いのです。美味しいお米をつくるためには、良質な田圃をつくることも、良い苗を育てることも欠かせません。様々な準備があって初めて、素晴らしいお米を収穫することができるようになるのです。

　収穫のところだけに意識がいっていると、上辺だけの努力をしてしまいます。仕事を取ることにばかり執着し、売上になるなら専門外でも頼まれるとすぐに乗ってしまったりします。

　一流コンサルタントとして活躍を望むのであれば、自分の専門性、キラーコンテンツがより一層、強く、深みをますように努力をすべきです。売上に貢献しないような仕事でも、自分のコンサルティングの実績や大切なノウハウの熟成になるなら、むしろ優先して取り組むことが重要です。

　コンサルティングを売るときにも、自分のコンサルティングを薦めてくれる声や、コラム、説明資料、説明会、パンフレット、冊子、掲載記事…など、様々な道具の準備も欠かせません。すぐに作ろうと思っても、思いのほか時間がかかるものばかりです。

　こうしたことは、実際のコンサルティングにおいても同様で、速攻で効果のあがるコンサルティングは表面的なことが多く、骨太な経営を実現していくには時間のかかる根源的な部分への打ち手が欠かせません。

　このため、一流コンサルタントは、時間のかかる本当に重要な打ち手の準備を徹底的に行い、効果がでるまで待つ気長さを持っています。自分のコンサルティングの効果を信じているからこそですが、本物の成果をあげるには、時間がかかることを知っているからです。

　そういう意味では、一流の仕掛け花火師がごとく、膨大かつ緻密な下準備には遊んでいる暇などなく、黙々とこなして本番の打ち上げをじっと待つということです。打ち上げ前に、準備も努力も完了している…という訳です。

　一方で、成果が出ない人に限ってああだこうだと話が長く、要領を得ません。目の前のお金には執着しても、肝心のコンサルティングを高めていくことや売っていくことに関しては準備が後手後手で意識は散漫になっています。

 　重要なことは、一つ一つ、確実に強みと実績が増すように考え、準備し、努力していくことです。あなたは、今日も準備をしていますか？