がんばれコンサルタント！ 第693号：コンサルタント自身が絶対に通過すべき重要な〇〇ゾーン

「ゴトウさん、おもわず一人でガッツポーズしちゃいましたよ…」── 先週、親しいコンサルタント仲間と楽しく一杯やっていたときに出てきたお言葉です。

コンサルタントとして独立して、まだ一年もたっていない方です。会社とつくって名刺をつくり、自社サイトを用意し、SNSを始めて…と、実に忙しい時期です。

それでもやるべきことをやらなければ、結果は決してでてこないのが厳しい現実です。どこかからかお仕事が勝手に舞い込んできて…というような甘い幻想を抱いていると、あっという間に３年経ってお金が尽きる…ということが起きかねません。

もっと言えば、「自分で自分のお客様を開拓する」とうい極めて重要な実務が待っています。ここを避けて通ろうとすると、永遠に自分に商売のはずなのに「生殺与奪権を誰かに握られてしまう」ということが起きます。

それを何と言うか、語弊を恐れずに申し上げれば、「仕事をさせられている」状態になってしまう訳です。そう、勤めていたときと同じです。

そうならないために、冒頭の方も必死にもがきながら、つくり上げたコンサル商品をご案内する自ら開催するセミナーを開催する訳です。

セミナーを告知しても、すぐに参加者が集まるほど世の中甘くはありません。さまざまに修正し、案内も工夫し…を繰り返す中、初めて社長さんからの正式なお申込みが入ったのです。その瞬間、冒頭のような言葉になった…という訳です。

この気持ちは、独立系コンサルタントで、自分でセミナー開催や集客をされている方なら誰でも痛いほどお分かりいただけると思います。思わず叫んでしまいそうになる感覚…。

こういうのは、どれだけ本を読んでもネットで学んでも、得ることができない感覚です。月並みな表現かもしれませんが、机上ではわからないことが山ほどあります。「体験的な確信」の芽生えは、極めて重要なのです。

なぜそれほど大きな意味があるのか。多くの「先生」が口にする「社長」「経営者」「商売」「マーケティング」「利益」「ビジネス」…といった数々の言葉ありますが、その本質的なことを肌感覚で理解している人は驚くほど少ないのが現実です。

こういうと、「それくらい分かっている！」とお怒りの言葉が返ってきそうですが、単純な話、自らリスクを背負い、顧客を獲得し、収益を生み出す活動を日々されていますか？ ということです。これを経験をしていない限り、経営者の心の揺れなど本当の意味で理解できるはずなどないからです。

言葉は悪いですが、俸給労働者として安全圏にいたまま「経営とは」などと語ることは、残念ながら絵空事にすぎません。自分の資金で広告を打ち、顧客ゼロの不安と戦い、時に失敗しながらも信頼を積み重ねていく──その過程こそが、コンサルタントが真に「経営者と並走できる存在」へと変わる唯一の道なのです。

独立しても、他者の下請けばかりしているうちは、まだ自らの商売ゾーンに入っているとは言えません。誰かの仕組みの中で動いている限り、その乗り物が向かう先にしか辿りつけないのです。本当に自分の理想とする場所に行きたいなら、「自ら舵を握る覚悟」を持つことです

崖から飛び降りるような恐怖と、自由を得た歓喜が同居する領域。このゾーンをくぐり抜けた者だけが、経営者と真に対等に語り、導ける資格を得ます。

たった一度きりの人生を賭けて挑む社長たちと、同じ地平に立つために。あなたは、活躍する覚悟ができていますか？