がんばれコンサルタント！ 第673号：コンサルタントが押さえておくべき「書籍の効力」と実現への道

「ゴトウさん、もうそろそろですか例のアレ…」── 先週、親しいコンサルタント仲間と一杯やっていたときに訊かれたお言葉です。

アレとは、ごく親しい方々にだけ話をしていたのですが、今年の前半からスピードを上げて書き進めていた新著が、まもなく発行になるところまできたので、そろそろ予約できるようになったかについて訊かれた次第で…。

言うまでもなく「本」は、コンサルタント商売において非常に重要なツールです。当社では、わざわざ「出版戦略」についてだけでも専門書を出しているほどで、出版無しにコンサルタントビジネスの成功を語るのはあまりに無理がある…とお伝えしてきています。それだけ超がつくほど重要な道具だからです。

当社で関わった方々の中には、１億円プレーヤーを突破された方が１０名弱いらっしゃいますが、そのどなたもが書籍を出版されています。

これは、コンサルタントとしての地位を確立し、事業を飛躍させる上で、出版が極めて効果的な手段であることを如実に示しています。これは決して偶然ではないと断言します。

どれだけ優れたノウハウや深い理論を持っていても、書籍として形になっていなければ、その価値を外部に示すことは困難です。

実際、コンサルタントの専門性や信頼性は、出版の有無によって容易に判断されるという厳しい現実があります。無形である知識を「モノ化」する出版は、信頼獲得に不可欠と言える要素なのです。

１億円プレーヤーのコンサルタントが総じて書籍を出版しているのは、彼らがその効力を戦略的に理解しているからです。ただし、本を出せば１億円プレーヤーになれるのかと言えば、それほど世の中は甘くありません。

出版はあくまで成功への重要な「パーツ」の一つであり、それ単体で全てを解決することはできないのです。ここを勘違いすると、「本を出せばうまくいく」と半ば見境の無い出版へと、無駄骨を折ってしまう人が世の中にたくさんいます。

重要なことは理解です。書籍がもたらす大きな効能の一つに、「本が勝手に働いてくれる」という点があります。書籍は、コンサルタントの分身として、昼夜問わず見込み客に語りかけ、専門性や価値を伝え続けます。これにより、人が物理的に働けない時間も、休むことなく営業活動を展開することが可能になります。

書籍という強力なツールを持たないコンサルタントは、自ら日夜、営業やセミナー登壇、個別の説明対応を必死にこなす以外に、クライアント獲得の方法がありません。

これは、時間と労力が無限ではないコンサルタントにとって、効率の悪い労働集約型のビジネスモデルに陥るリスクを高めていることに他なりません。「何かおかしい…」、「こんなはずでは…」という感覚は、まさにこの状態です。

誰もが駆け出しの頃に経験する課題ですが、この労働集約的な状況から脱却するためには、自身のビジネスに「仕組み」を組み込むことが不可欠ということに気づけるかどうかです。

当社では、コンサルタント商売において、半自動的に営業が行われるよう「仕組みで廻るビジネス」を構築することに注力してきました。新著では、そのための５つの具体的な仕組みを解説しています。

もちろん、その「仕組み」の重要な要素の一つが「出版」です。しかし、出版が単体でコンサルタントビジネスを完成させることはありません。

あくまで、見込み客発掘から契約、そして継続的な事業運営に至るまでの一連の流れの中で、その効力が最大限に発揮されるように設計されなくては、永遠に労働集約型の仕事に汗するしかなくなってしまいます。

そしてそれらがすべてつながっていくように設計し、展開する。ここがバラバラであれば、まったく意味をなさなくなってしまいます。本単体で考える愚、セミナー単体で考える愚とは、まさにこれを意味しています。

最も重要なことは、培ってきた知識や経験、ノウハウを、いかに「仕組みで廻るビジネス展開」へと昇華させるか、その本質を理解し、実践することです。

当社が、コンサルティングビジネス専門として１０年以上にわたって突き詰めてきた集大成的な知見とノウハウ、ならびに数多のコンサルタント仲間が証明してくれた成功事例を凝縮し、渾身の力を込めて書き上げました。

このたびのシリーズ最新刊、『コンサルタント商売を成功に導く“5つの仕組み”の整え方』～知識・経験・ノウハウ、「カタチの無いモノ」を売る極意～が、皆様のビジネス変革の大きな一歩となることを願っています。