がんばれコンサルタント! 第652号:コンサルタントとして、5年後10年後の大成長を考えるときの大事な思考ポイント

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「ゴトウさん、今年は独立してから5年目になりますが、飛躍していくためには何が重要になってきますか?」── 今年最初に当社事務所にお越しになられた、コンサルタント仲間の方が口にされた言葉です。

コロナ禍を潜り抜け、わりと順調に推移しているということもあって、ここから大きな飛躍をしていきたい…という絶妙なタイミングでのご相談です。

実はこうしたご相談というのは「特定のタイミング」でよくいただいたりします。そのタイミングとはズバリ、「現状の延長線上ではどこか先詰まりを感じる」ときだったりします。

イメージ的に言えば、現状においては特に大きな問題はなく、それなりにやれている感じはあるけれど、今年や来年、その先を考えた時に何となくパッと開けていく感じがイマイチしない…というような感覚です。

数字的にも表れているもので、ここ数年ほとんど変わらないとか、増えても微増…だったり。この傾向を鑑みれば、5年後や10年後もさほど成長できないのでは?という状況を考えずにはいられない…という心境。

冒頭の方も、まさに同様の心境だったようで、さしあたり今は「まあまあ」ではあるが、今一度「自分の未来の姿」を見直す必要性を強く感じてご相談にお越しになられた…という感じでした。

5年後、10年後…を考えるとき、何が重要になってくるか…。その最も重要な観点は、「無意識による"現状の延長線上"で考えない」ということです。そこにある限り、どれだけ上手くいったところで、そのベースや基盤、枠組みなどの成長スピードどまりだからです。

簡単な話、勤めている人ならその会社の成長力に制約される訳です。時には衰退とも一蓮托生であり、どれだけ努力したとしても、そうした制約の中でしか5年後、10年後の成長は夢見れないのが現実です。

「これだけやっても…」という感覚に、独立を考えた人は世に数多といらっしゃると思いますが、自分が託している「仕組み」以上には成長できないのがこの世の掟です。

自分で商売をしている場合でも、そのビジネスの稼ぐ方法、ビジネスモデルだったり商品・サービスの力、営業方法…などの仕組みが悪ければ、どれだけ努力しても思うような稼ぎになることはありません。それらの仕組みの能力以上に成長はできないからです。

だからこそ、未来を考えるとき、無意識で考えてしまう延長線上のことを意図して外してみる必要があるのです。

「10年後の自分はどうありたいか?」…。簡単な話、未来を描くときに現在の制約や他人の評価を持ち込んでも意味はありません。「こういうことをしたい」「こんな仕事をしたい」「こんなビジネスをしたい」「こんな生活を送りたい」…と、純粋な願望を描くことで、本来の自分が目指している方向性に、改めて自分で気づくことができます。

このとき、現在や現在の延長線上とは大きな隔たりがあるとすれば、何かを変えなくてはならないということがハッキリします。働き方なのか商売のモデルなのか、独立なのかビジネスのやり方なのか…。

必要なことは、新しい成長軌道に乗り換えることです。特に、現在の商売や働き方にどこか満足していないなら、それは乗っているレールを切り換える「レールチェンジのタイミング」が来ていると考えるべきでしょう。

最も怖いのは、「まだ大丈夫…」と現実を直視せず、目先の延長線上だけを見てやり過ごそうとしていると、いかに巨大企業であっても、あっという間にこの世から消え去ってしまうという現実です。

実際、これまでにも百科事典の会社、フィルムの会社、音響機器の会社に家電の会社…など、名だたる大手の会社が、自らのビジネスモデルに安住したばかりにこの世から消え去っていきました。その当時、「そんなにすぐ無くなるはずがない…」とたかをくくっていて…。

これからは、AIや進化したネットサービスなどにより、一層大きな変革がやってくることは間違いなく、業界ごと消えてなくなることさえ現実味を帯びてきているほどです。一方で、これほどのチャンスが来ているタイミングも稀有と言えるでしょう。

自分のビジネスが確立し、商品やサービスに力があれば、たった一人でも世にしっかりと根をはってやっていける様々な革新的なツールを利用できる時代になっています。そう、一人でも大いなるビジネス展開が実際に可能な時代なのです。

ビジネスにおいて一つ言えることは、大きいことは「安全性の一つのポイント」ではあっても、それ以上でもそれ以下でもない…という点です。

こと変化する力においては、小さい会社のほうが有利なことが多く、それだけ生き残ったり成長分野への方向転換は軽やかだったりします。

コンサルティングビジネスを単に「教える仕事」と捉えるか、はたまた「ビジネスの最も有利な方法論」として利用するのか…。AIが敵になってくるのかビジネスの相棒になってくるのか…。作業員ではなくビジネスを確立させているかどうかは、まさに今後を大きく左右することになることは間違いありません。

あなたの積み重ねてきた知識や経験を、作業として教えるのか、それとも「他にないビジネス展開」に変えていくのか…。5年後、10年後は大きく変わることになるでしょう。選択はまさに自分次第です。あなたはどちらを選ぼうとしていますか?

 

著:五藤万晶

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