がんばれコンサルタント! 第586話:コンサルタントとして知っておくべき経営ができる人、できない人

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「ゴトウさん、あの会見どう思いますか?」── 先日、親しいコンサルタント仲間で集まって、楽しく一杯していたときにでてきた話題の一つです。

あの会見…とは、ご想像のとおり、日本を代表する芸能事務所にまつわる、あの会見です。被害者が数百人以上にのぼるという前代未聞の性加害事件が「実際にあった」ことがハッキリし、それに対して開かれた4時間にも及んだ記者会見のことです。

記者会見以降、いろいろな意見が飛び交っていますが、ほぼ想像どおりの展開になってきています。なにかと言えば、「これは収拾しない」ということ。

テレビ関係者やそれに近い人たちは、「タレントさんは悪くない!」といったコメント発信が結構目につきます。また、にわかに「知っていた」的なコメントも急に多くなってきています。

しかし、この会見のちょっと前にあった中古自動車の会社の会見を思い出して、既視感的なデジャビュの感覚を感じた人も少なくないと思います。

これらの会見で共通していることは、「下手を打った」ということに尽きます。もちろん、何が正解かはその時点では明確には分からないことです。しかし、「最低限アレをやらなければ事態は収拾しないだろう」ということについては分かることだからです。

まず大事なポイントは、2つの事案はどちらも「反社会的行為を行った会社」と既に思われているということです。それは言い過ぎ…という人がいるかもしれませんし、確かに明確な定義の上で言っていることではありません。

しかし一つ言えることは、「性暴力や児童虐待と言えることが何十年にわたって行われ、それを組織ぐるみで隠蔽していた会社」とか、「修理箇所を故意に増やして詐欺的に保険請求額の水増しを組織的に行ってきた会社」となれば、それは一般的に言えば、誰が考えても「反社会的な会社」ですよね? ということです。

重要なことは、実態もそうですが、「イメージはどうなっているのか」ということへの判断です。この部分が間違っていれば、当然、打ち手をミスることになります。それが、あの二つの会見にでてしまっている訳で、だから「収まらない」のです。

「社内の者が社長交代」とか、「社名や体制は変えない」、「真摯に受け止めてしっかりやっていく」などと言って、収拾がつくと思っているほうがどうかしている…という話です。

じゃあどうすれば? ということですが、「極めて悪いイメージになってしまった会社」を払拭するには、基本的に3点の取り換えが必要になります。イメージ自体を書き換える必要がありますし、前の会社とは違うと説明するための材料が必要だからです。

3点とは、「株」、「経営者」、「会社名」です。これら3つが根本的に変わったということが重要なので、すなわち「株が売却されて他者に移る」、「身内や社内ではなく外部からの経営者」、「違う社名」これらを揃えることが必要になってくるのです。そう、少なくとも「そう見える」ことが重要ということです。

同様に、新しい社名、社長、株式で別会社をつくる方法もあります。理屈は同じですが、要は、事業再生が行われるとき、外部からの例えば銀行系の人が経営トップに就任し、株が買い取られ、新しい社名で再出発…というのと基本的に同じということです。

難しい話はともかくとして、会社は、大きくなればなるほど、会社の論理で動かざるをえなくなります。個人商店ならいざしらず、一度「反社」のイメージがついてしまった会社とそのまま取引を続けるとなると、今度は「お客様や株主」に対して、どう説明するのかという問題が起きます。

当然ながら、そんな理由など打ち出せるはずがありません。なにせ、会社設立して銀行口座一つ作るのにも、何かしらの契約書一つハンを捺すのにも、「あなたは反社ではありませんよね?」や「反社とのつながりはありませんよね?」とチェックや署名させられるのが、現代のビジネスの常識だからです。

こんなことは、会社をやめて商売を始めたら、「一年目の新米社長でも知っている」ことです。あまりにも当たり前すぎて、何を今さら言っているんですか? のレベルと言えるでしょう。

逆に言えば、そんなことも知らないし理解できない社内、そんな判断もアドバイスもできない顧問や専門家しか周囲にいなかったということなのでしょう。要は経営ができない人ばかり…であり、まさに、残念な話と言わざるをえません。

まだまだ終息しないのは、一度こうなると、どこも「反社のイメージの会社と契約を継続している」と思われたくない…とドミノ倒し的に連鎖がつづくのと、「あそこはどうなのか?」と、魔女狩り的な詮索が起きるからです。

この手の話の時に、「タレントさんは悪くない」といくら言っても、商品やサービスを問題にしているのではないのです。芸能事務所においてタレントとは商品だからです。あくまでも、「どこから買っているのか?」という契約先が問題になるのです。それが会社と会社の取引というものだからです。

ビジネスにおけるこの極めて単純な理屈が分かっていないからこそ、「会社名も株も変えず、社内での社長交代」、「一年間、フィーは取らずにタレント本人に渡す」といった、ビジネス感覚ゼロの手が打たれるのでしょう。

今後ますます、この火の粉は多方面に降り注がれることになるに違いありません。その代表格は他ならぬ、メディアであり、雑誌やテレビ局ということです。「まさか、あの会社とまだ契約してるんじゃないですよね?」とスポンサー企業から問われるのを避けられないからです。

「反社と付き合うのか?」と問われて、スポンサーとなるような大手企業が「はい」と答えるハズはなく、一度明るみになったら、「その会社とは契約継続はできない」と答えているのです。そして、「良い商品なんだから、違う会社からならぜひ買いたい」と言っているのです。

実は、滅茶苦茶シンプルな話です。そして終息も実にシンプルです。「別会社をいち早く用意」できるか、それとも、後手後手になって窮地に追い込まれて、いよいよ金にも詰まってボロ会社になってから、「とんでもない安値で買収されて事業再生的に再出発」になるか、いずれにしろ、まったく別の会社になることで終息になるでしょう。だからこそ、願わくば前者であってほしいと思うのです。

コンサルタントは時に経営者の相談役になることがありますし、そうした場面も少なくないでしょう。ビジネスを成長させるご支援は当然の役目ですが、一方でこうした「会社存続の危機」に直面するようなときに、当事者の会社でも相手の取引先企業の場合でも、まともな判断ができるかどうかも非常に重要です。

少なくとも、先に「ウチは契約を継続します」などと宣言していて、わずか数日で一転、「契約解除」を宣言した飲食チェーン企業が、失笑を買ってしまいましたが、大きな会社でも大失策をしてしまうことがあるのが現実なのです。

まともな判断ができる専門家、頼りになる人、相談相手…といったツテをつくっておくことは、本当に大事なことと言えます。コンサルタントならなおのことと言えます。

あなたは、自分のビジネスにおいて相談できる人がいますか?

著:五藤万晶

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