がんばれコンサルタント! 第567話:コンサルタントが押さえるべき、競争条件が変わることの判断性

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「ゴトウさん、先日クライアント先で移転することが決まった会社があるのですが、社長に観点を伝えるのはなかなか難しいですね…」── 親しいコンサルタント仲間からのご相談の後、一杯楽しくやっていた時にでてきた言葉です。

なんでも、片田舎でやっていたクライアント企業さんが、事業の拡大に合わせて都市部への移転を決められたとのことで、これ自体はとてもいい話なのですが、それに伴う経営の重要ポイントをお話ししても、どうもうまく主旨が伝わらなくて…というもの。

なるほど、経営における「競争条件」とか「優先順位」…などが、大きく変わる可能性があるのですが、なかなか伝わらない…という話です。確かに、これは理解が困難なものの一つかもしれません。

当社のコンサルティングルームも、諸般の事情によって引っ越しをすることになったのですが、自社が引っ越しをする、またはオフィスを出す…ということを考えるとき、「一体何を優先するのか?」によって、選択する事柄は大きく変わってくることは間違いないでしょう。

もちろん、お金に糸目をつけずに…ということができるのであれば、都心の一等地のビルの最上階! なんてこともできるかもしれませんが、当然、お金の問題も出てきますし、それ以前に「その物件は、本当に自社の商売上、お客様にとって利便性があるのか?」ということも重要になってきます。

商売をやっているのですから当たり前のことです。単に自分が住む家の場所であれば、本当に自分の好きな場所にすればいい訳で、素敵な田舎暮らしでも海辺でも、静かな湖畔でも、自由に選べばいい話ですが、こと商売用となれば、お客様のことを考えない訳にはいきません。

重要なことは、選択に伴う「優先順位」の明確化です。すべてにおいて「お金」が絡み、そしてその「上限が決まっている」ため、すべてを満足させることができる選択は不可能だからです。

そう、実に当たり前のことを言っています。優先順位として何を選び、何を二の次、三の次にし、何を諦めるのか…という単純な話です。

しかし、現実的には、もう一つ大事なことが隠れています。「競争条件が変わる」ということです。コストとして優先順位を考えることはあっても、そもそも論としての競争条件が変わってしまう可能性があり、その結果、優先順位の付け方そのものが間違ってしまうことすらある…という話です。

このことに気づかないでいると、知らぬ間にビジネスが停滞や後退していってしまいかねません。不利な条件や、優先すべきことに気付かずにビジネスをしてしまうからです。

そんな馬鹿な…と思うかもしれませんが、ビジネスにおいて、例えば「自分側が訪問する」型のビジネスと「お客様に来ていただく」型の場合とでは、そもそも、ビジネスの拠点としての考え方が根本から変わることは、誰でもすぐ分かる話でしょう。

自分側が出向く方式の場合、極端な話、オフィスの必要性は無いとさえ言えます。客先に出向くのがビジネスなのですから、「あったら便利」というオフィスは、構えるにしても必要最低限で充分ということになります。

もしこれを、「それなりに見栄えのいいオフィス」を選択するとしたら、他に何か明確な理由がない限り、見栄や単なる感情論として欲している可能性がある…という訳です。

ビジネスにおいて、何かに投資、選択…するときには、必ず理由と優先順位が発生します。上手い経営をできるかどうかは、まさにここにかかってくることになりますが、それは決して「単なるコストが低い経営」といった単純なものではないのです。

作業賃仕事を続けていたりすると、判断基準が「コスト」のみとなり、「安いからOK」だったり、必要とする理由も「便利」とか「そろそろ欲しい」といった漠然としたものになる危険性が高くなります。

理由は単純です。ビジネスをつくる…という観点よりも、「言われたり要求されることに合わせる」というスタイルが染みついてしまうからです。

冒頭のクライアントさんは、事業成長されている企業ですが、会社の体質としては下請け型であったため、「会社も大きくなってきたから都会にオフィスを…」という、漠然とした感覚で移転を決められたところに危なさがある…という話です。

なぜなら、都会のオフィスの家賃は、片田舎のオフィス賃料とは比べようもなく高く、その結果、「驚くほどの背伸び」をするか、はたまた「ケチってみすぼらしい所」を選ぶか…のどちらかになりがちだからです。

驚くほどの背伸びをした場合、事業モデルが同じ下請けの場合、自らの経営努力で利益率を増やすことは非常に難しく、取引先を増やすしか利益の増大を図ることは困難となります。このとき、営業の増員を伴わなければ利益を増やし、増えたコストを賄えますが、増員になっていれば元の木阿弥となってしまいます。

逆に、安くてみずぼらしい所だと、取引先は「あれ?こんなところなの、大丈夫?」と思うかもしれませんし、社員はわざわざ高くて混雑した都会に通って、給料は変わらずに…となれば、「何の得があるのか?」と考えるのが普通でしょう。

重要なことは、何かを選択したときに、現在のビジネスモデルにも大きな影響が出る可能性が高い…ということです。都会の高いオフィスに入ってでも得るべき経営上の重要なもの…。

これを自社のビジネスにおいて手にしたいと考えるなら、それに合うビジネス展開に変えていかなければならない…というのが重要なポイントとなります。

逆に言えば、単なるコスト思考による思い込みで、オフィスを持たない経営…を続けてきたが、実は都心にオフィスを構えることで、一気にビジネスが花開くということも実際にあります。本当に必要なものに気づいていなかっただけ…という話です。

都会でビジネスを行うメリットはたくさんあります。それは、根本的に言えば、高いコストを払ってもそれに余りあるメリットを享受できるビジネスモデルがあり、実際に回せているときに大いに繁盛できることになります。

高いテナント料よりもっと稼ぐ人材を集めやすくなったり、知名度によってビジネスがしやすくなったり、そもそも広いオフィスを必要とせず、お客様が来やすいメリットだけを享受できる商売…などなど。

コンサルタント業においても同様です。作業や手配を行う仕事や、訪問がメインの仕事であれば、わざわざ都心にオフィスを出して高い賃料を払う理由はありません。一方で、全国から来ていただく、対面を選んでもらえる、空間ごと何かを感じていただく…ということを考えるなら、オフィスは実に有益なものになるに違いありません。

昨今、リモートワークが増え、コンサルタント業界にもかなり浸透してきていますが、だからこそ、オフィスの本質、そして何を優先するか、そうしたことを選択するためのビジネスモデルになっているか…といったことがより重要となってきていると言えます。

あなたは、自分の働く拠点に関して、しっかりとビジネスモデルを考えていっていますか?

著:五藤万晶

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