がんばれコンサルタント! 第502話:コンサルティングにおける、「蜂の一刺し」を考える必要性

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「ゴトウさん、それは考えたことなかったですが、ウチでやっても大丈夫ですか?」── 先日、法人さん向けに行っているコンサルティングの際に、社長さんの口からでてきたお言葉です。

当社は主に個人コンサルタントの方々向けに、ご商売を整えたり一緒になって戦略を練ったり…というお手伝いをしていますが、企業向けにも「コンサルティング化」の手法を用いた、新たな事業の立ち上げやビジネス革新のお手伝いも行っています。

この時には、すでに何社も実際に行ってもらっている、ある社内施策についてお伝えしたのですが、初めて聞かれた経営者の方は、たいてい「え?」と一瞬固まります。

この会社での施策の詳細は様々な事情もありますので伏せさせていただきますが、考え方をお伝えすれば、「新しい事業やビジネスをやる」という時に押さえるべきことは、「現状の部分バランスではなく、未来の全体バランスに手を打つ」ということです。

何か新しいことをやろうとすると、必ずと言っていいほどでてくるのが「現状変更に伴う不平不満」です。要は既得権益を持っている人からすれば、「それが少しでも削られることには我慢がならず、余計にやることが増えるのはまっぴら御免!」というのが、残念なくらいに人間の性だからです。

会社が傾いてたいへんな状況…という話を伺えば、そこにはほぼ間違いなく「権利だけ主張する働かないゴロツキのような社員」の存在があり、自己の主張のみならず、そうした仲間や勢力を増やしていこうとさえします。さながら、「我々は正当な権利があって、どうにかするのは会社の仕事」と言わんばかりです。

こうなってくると、しわ寄せは真面な人に…ということになります。会社が順調であっても、働かない人は一定層いるので、頑張る人にはどんどんお鉢が回ってきます。「自分にばっかり仕事を押し付けてきて、納得いかないなぁ~」などと思ったことは、当コラムを真面目にお読みいただいているような思考の方であれば、少なくとも一度や二度はご経験されているでしょう。

恐ろしい話ですが、ビジネスに限ったことではありません。世の中、既得権を持った人がどれだけ抵抗し、邪魔をしているかは、毎日のマスコミが報じるものを見ていれば、もう辟易するほどわかることです。

最近は、老人特有の「現状のままが一番いい」「安心・安全こそ最も重要」という超消極的さによって、さまざまことが反対され進まなくなり、大きな弊害が生じ始めています。

もちろん、そうした老人は一部に違いないかもしれませんが、世の中の発展やこれからの若い世代の未来…を考えることなどなく、現状維持と安全だけを唱える姿は、まさに会社におけるゴロツキ社員と被るものがあります。共通することは、どれだけ、まともっぽく綺麗なことを言っていても、結局は「既得権益」に基づく言動という点です。

「いかがなものか」「慎重に検討すべき」といった特定のキーワードも同じです。この言葉がでてきたら要注意です。事実上反対しておきながら、直接は反対を口にしていないという逃げ口上です。都合が悪くなると「そうは言っていない」「問題を提起しだだけ」とサッと消えるあたりは、いかにもそういう人たちに共通した卑怯さです。

会社でもビジネスでも何かの組織でも政治でも社会でも…、放っておいたらダメになる…。これは間違いない事実で、どこかでメスをいれない限り、未来が勝手に拓けることもありませんし、手遅れになると、「バタン」と倒れてしまいます。

では、どうするか…。もちろん簡単なことではありませんが、「既得権益に可能な限り触れずに、頑張っている人達に有利になるポイント」を探すことは一つの着眼点と言えるでしょう。

会社で言えば、社員全体で分担している何かの当番的な仕事を廃止または外注化することで、頑張っている社員は大幅に楽になります。ゴロツキ社員は文句は言っていても、もともと率先してやっておらず、その肩代わりを頑張っている人がやっていたりするからです。

社会や政治で言えば、それを変えることができるのは「選挙」ですが、どれだけシルバーポピュリズムの弊害を叫んでも、「年齢による選挙権のはく奪」は極めて難しいでしょう。投票する人も政治家も、「既得権益」が絡むだけに、間違いなく結託して阻止することは火を見るよりも明らかだからです。

一方で、「新たな権利を与える」ことについては比較的抵抗が少なく、実際に18歳から投票できるようになりました。このことを例えば応用して、それこそ提言してみたいと思います。

「子育てしている子供(未成年の間)の数だけ、その親に投票数を与える」──。

未成年のうちは、まだまともな判断ができないから選挙権がない…ということで年齢による規制があるのですから、それまでは「親が預かる」という考え方です。未来を担う子供たちを必死に養っている親なのですから、その子供の数だけ、未成年の間は親に与えてもバチはあたらないでしょう…と。

本来、いま人間何人分もの未来を実際に担ぎながら重責を果たしている一人と、未来よりも現状維持を最優先する一人とが、同じ一票であることの方が不平等のはずです。これが同じというのなら、未成年のうちは人間としてカウントされていない話ですし、そもそも、未来ある子供たち世代に「一円も借金を残さない体制」をつくってから言ってくれ…ということです。

まあ、この選挙権のことについては、当社の専門とするところではありませんし、思いつきレベルでの提言ですから、詳しい方々からすれば突っ込みどころ満載かもしれません。それは何卒ご容赦ください。

しかし、会社にしろ世の中にしろ、新しい風を吹き入れることはとても大切なことです。もし、子育て世代の親が、子供の分だけ選挙権を持って投票しにいく…としたら、「選挙に行っても変わらないから…」と思う人は少しは減らないでしょうか? 政治家はどう考えるでしょうか? 現状より少しでも未来志向にならないでしょうか?

冒頭のお会社さんは、現在非常に順調なお会社ですが、この現状に満足されることなく「次のビジネス」を進めようとご相談にお越しになられた経緯があります。それでも単に新しいことを取って付けたようなことをすれば、「それだれやるの?」と、押し付け感がでたり、既得権益の邪魔を受けるかもしれません。人間、無意識だから怖いのです。

だからこそ、「えっ?」と思われることを提言し、それをきっかけに様々な刺激を社内にお越し、新しいことにチャレンジしていく風土を築いていっていただきたいと思うのです。これもコンサルタントの大きな役目の一つと当社では考えています。

よき風を起こすために、どこに「筋が通るメスを入れるか?」──。ご自分のコンサルティングを体系化していく際、「蜂の一刺し」となる急所が見えてきます。あなたのコンサルティングの急所は定まっていますか?

著:五藤万晶

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