がんばれコンサルタント! 第391話:ベンチマーク型コンサルタントの末路

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「ゴトウさん、先日あるクライアント先から、先生のようなやり方は本当に驚きです。以前のコンサルタントとはまるで違いますね…と言われまして」── 数年前にコンサルタント起業を果たして、目下忙しく活躍されている方のお言葉です。

いわく、自主開催しているセミナーにお越しになられた社長さんが、その後「ウチを見て欲しい」との事で始まったコンサルティング。お会社に何度か伺っている中で、社長の口からボソっと出てこられたのが冒頭の言葉とのこと。

何がまるで違う…のかと言えば、「コンサルティングの考え方と進め方」とのことで、根本の違いとして、「このとおりマネしてやりなさい」という、いわば鋳型に当て込んだり、モデルどおりにやらせようとするのが以前頼んでいたコンサルタントとのこと。

聞けばよく耳にするコンサルティングファームの名前で、思わず「ああ、あそこ…」と相槌を打ちましたが、いわゆるこの手の手法は、「ベンチマーク型」として、結構多くのコンサルティング機関が採用している手法の一つです。

物事には何でもそうですが、一長一短、メリットデメリット、良いところと悪いところ…といったことが必ずあります。コンサルティングにおいてもしかり。業界ごとに顧客をセグメントして、その業界で優秀な会社を探してそのやり方を分析したりする「ベンチマーク型」と呼ぶべき手法がありますが、当然メリットデメリットがあります。

先に断っておきますが、この方式が全部悪いなどと申し上げるつもりはありません。メリットデメリットがあり、それを理解しているかどうか…ということです。

この手法の最大の特徴は、業界で優れた会社の手法をベンチマークしてそれに倣うため、「短期間に効果が出る」ことが期待できる点です。これが秘訣、ポイント、具体手法…というものをズバリ倣うのですから、即効性が期待できるわけです。これは大きなメリットと言えるでしょう。

また、やり方が、「探して、学習して、覚えて、教える」という、いわば勉強と同じパターンのため、高度な知識や経験、そしてそれらを元にした体系化…などが不要という利点があります。簡単に言えば、コンサルタント自身が初級者でもできるということです。

一方、デメリットも当然ながらあります。あなたがベンチマークされる側の会社の社長さんだったとしましょう。ベンチマークに協力してくれ…と言われて、これまでがんばって積み重ねてきたノウハウを根ほり葉掘り聞かれて、これに応えたとして、そのノウハウを他の会社に流布されたとすれば、どう思われるでしょうか?

良かれと思って協力したら、自分のお店の近くに、続々ライバル店ができてくる…。それもほとんど同じやり方のお店ばかり…。そのノウハウの元は自分たちが積み重ねてきたものなのに、ことごとくライバルとなって競争相手に…。

いつも言っていることがあります。「世の中、同じ店ばっかりなったらつまらなくありませんか?」と。色々なお店があるから世の中、彩がでますし、新しいものが登場してくるから面白いのです。無意味な競争を引き起こし、挙句に同じようなものばかりが乱立する「お手伝い」は、未熟さの表れともいえるでしょう。

何でもかんでも焼き直しか、安いものばかりで、何も新しいものがでてこない世の中になれば、これは衰退しかありません。もっと言えば、世界から思いっきり遅れていくだけで、こんなことをもし指導するとしたら、プロフェッショナルとは、お世辞にも言えないということです。

誰でも自分の個性を活かしたい…と自分は思っていたり、言っているのに、こと指導の現場において、もし「型どおりの指導」しかできていないとしたら、これはまさに「あなたに個性はいらない、このとおりやればいい」と強要しているようなものです。

それが意味する真実とは、「あなた自身が、本当は何の考えも個性もないために、それを正当化するために、上手くいっている人のマネを他人に強いているだけ」ということです。そうですよね、人に強要して何の呵責も感じないのは、それはどっぷり浸かっている証拠だからです。

ただし、どこの世界でも、最初は基礎知識を学ぶことから始まります。これなくして何も始まりません。そしてその大半は、記憶や計算、模倣…などの繰り返しで徐々にノウハウや経験を積み増す以外に方法はありません。

重要なことは、これですべてと思っているか、そこを越えていこうとしているか…ということです。小学生レベルの正しいやり方を、大人レベルでも「これが正しい」と言っているかどうかの違いです。あなたが目指しているレベルはどこか?をまず把握し、決める必要があります。

自分独自の考えや手法、もっと言えば、教える相手やクライアントごとに、最適な答えはすべて違う…ということに想い至れるかどうか。逆に考えれば、自分独自の仕事、自分らしさ、自分が積み重ねてきた知識やノウハウを活かしたコンサルティング…というのは、絶対に型通りであってはならないハズです。

少なくとも、当社ではすべてオリジナルとして考え、その個性が最大限光ることを考えて、コンサルティング商品として体系化することをお手伝いしています。それが当たり前だと思っているからです。

お店一つとっても、立地や客層はもちろんですが、社長の想い、店長の想い、来店客の想い、働いてくれている人の想い…は、どれ一つとして同じことはありません。だからこそ、同じ看板のチェーン店でさえ、大繁盛するところもあれば、閑古鳥でつぶれる店があります。看板が違えばどうなるか…など、もはや言うまでもないことでしょう。

知識や計算で何でも分かった気になる人は、「あそこは〇〇だから上手くいった」とか「□□がダメだった」と、さも賢そうに語りますが、彼らに共通するのは、「自分独自の視点と考えがない」ことです。分析して現象面を見て語ったところで、自分独自の考えを体系化し、思考軸を持ち合わせていなければ、その底浅さは、たった一つの質問で露呈してしまうことになります。

「ウチ独自のやり方を構築したいのですが、どうすればいいですか?」──ベンチマーク型では絶対に越えられない壁があります。そして本物を目指すとき、本当に越えるべき壁が、そこに見えてきます。

あなたは壁を越えていますか? コンサルティングを変幻自在に使えていますか?

著:五藤万晶

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