がんばれコンサルタント! 第603号:ビジネスにおいて自分が暗示にかかっているかどうかを確かめる重要性

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「ゴトウさん、私はコンサルタントの経験など無いですが、これからコンサルタント商売を始めていくなんてできるんでしょうか?」── 先日、オンデマンドセミナーを受講された方から、その後のオンライン相談の際にいただいたご質問です。

実はこの種のご質問、結構よくいただくものの一つだったりします。コンサルタント商売に興味と関心はあるものの、「やったことがない自分でも、本当にやっていくことができるのだろうか?」というものですが、これは誰もが不安に思う事かもしれません。それが言葉になってでてきている訳です。

では実際どうなのか、どうお答えしているか…ですが、これまた非常にシンプルです。「12年前まで、当社もコンサルティングなどしたことがありませんよ」です。実際、その通りですし、そのままお答えしています。

え?大丈夫なの? と思う人もいるかもしれません。未経験で始めた? と聞けば驚いてしまう人も世の中には一定数いるでしょう。

ではそのゼロから始めるに至ったものは何だったか…ですが、経営者向けの出版やセミナーに関して、「どう売り出していけばヒットするか?」というのを、企画担当者として日夜真面目に考えていたのが前職です。

これは、逆の講師の先生側からすれば「自分を売れるようにするために考えてくれる人」なのだから、「そういうコンサルタントみたいなのが一人くらいいてもいいのでは?」というのが始めるに至ったきっかけです。

いま思えばいい加減だな~なんて思ったりもしますが、想いや気持ちはむしろ今より強烈だったと思います。だからこそ、世の中にコンサルタントを教える仕事なんて聞いたことも見たこともないし、ネットで探してもどこにもいない。そもそも自分はコンサルタントなんてやったことはないけど、まあでも、誰もやっていないんなら自分がやってみよう!と始めた訳です。

ちなみに、「独立する」という言葉を口にするときに、言葉として「独立」をどれだけ使ったとしても、根本的な部分において「勤め人の思考回路」では、やる事なすことサラリーマンと変わらなくなってしまいます。

その最たるものの一つが、「未経験だからできない」というものだったりします。「やったことがない」は事実だとしても、「やったことがない」=「やれない、やらない」と勝手に頭の中で紐づけするとしたら、それは身動きが取れない方向に自らを追い込んでいくことになります。

例えて言うなら、上司から指示命令されて、「やったことがないのでできません!」とやらない理由をあげつらって誤魔化すようなものです。その一瞬は「助かった」と思うかもしれません。

しかし、この時の「自分がかけてしまった暗示」が後々、「やったことが無いことはできない」と自らの手足を縛りはじめて、やがてがんじがらめとなり、「見事な前例主義」「言い訳大臣」「他人がやってることの後追い」「パクリモノマネ芸人」…になっていってしまうのです。

やったことが無いことをやるのは誰もが不安を感じる」のは間違いない事実です。大事なことはその先で、「やったことが無くても、やり始めて成功した人がいますよ」と聞いて、どう考え、どう反応するのか…ということです。

「そんなのは危なっかしいし自分は信用しない。前例がない限り嫌だ」…と、思う人達と、逆に、「あ、やれちゃう人がいるんだ。じゃあ自分もやってみよう!」と思うかどうか…。

世の起業家たちは、創業するときはもちろん、事業を成長させていく過程で様々に新しい事業を創り出していっているとき、「経験があるからやる」などという話は聞いたことがありません。少なくとも、新しいビジネスやユニークなビジネスと言ったものは、これまで世の中になかったから新しい訳で、それが何を意味しているか…ということです。

そもそも、社長なんてやったことがない人が起業して社長になるのです。料理が上手でもビジネスなんてやったことが無い人が一念発起して店を始めたりします。経営なんてやったことがない人が商売を始めるのです。

コンサルタントも同じです。ビジネスを興していく人たちに共通するのは、「やったことがない」「よく知らない」、だけど「やりたい」「やってみる!」と突き進んでいく人たちです。何も難しい話ではなく、これらは不変の哲理です。経験がないことをしないのであれば、この世に進化はないのです。

ちなみに、冒頭のご質問された方は、当社も12年前はやったことが無いですよ…という言葉を聞かれた後、笑顔で「あ、そうなんですね、安心しました。 自分もがんばってみます!」と答えられましたが、まさに商売人への第一歩を踏み出された瞬間と言えるでしょう。

もしこの進んでいく力がなければ、世の中、誰もビジネスを始める人はいなくなります。経営者の経験がなければ経営者になれない…としたら誰も経営者になれないのです。

重要なことは、蓄えてきた知識や経験、ノウハウ…などを、どう「ビジネスができるように変えるか」ということです。この変換がない限り、いつまでたっても「まだ不安」「経験がないから」といったジレンマが続くことになります。

勤め人という土台を変えて、商売できる武器を持たない限り、一生それは変わることはありませんし、未経験だから…と言っていたら、これまた一生、変わることはありません。

こうした大前提を踏まえるとき、「未経験」というものは、何かをやっていくときの大きな刺激であり、エネルギー源にさえなっていくことが分かります。

面と向かって「あなたはモノマネしかできない人だね」とか、「パクリや二番煎じばっかり」、「新しいことは一つもなくて、つまらない仕事だね」…などと言われて、あなたはどう思うか…

強いビジネスを展開する会社、常にイキイキしている企業に共通することは、新しいことにチャレンジしていることです。すなわち「やったことがないこと」「未知のこと」に果敢に挑戦していっていることです。

あなたは、後追いで儲からないビジネスに甘んじますか?
自分独自のビジネスをつくって報われる報酬を手にするために挑戦しますか?

 

 

著:五藤万晶

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