がんばれコンサルタント! 第247話:コンサルタントが知っておくべき、「皆と一緒に」の大いなる危険性
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「ゴトウさん、親しい知人のコンサルタントから、あなたもゴトウさんのところに一度行ってみたほうがいいよ…と薦められてきたんですが、ようやく自分のやっていたダメな点が分かってきまして…」── コンサルタントとして活動を始めていた中で、どうも何かがへん? と思われ、弊社にご相談にお越しになられた方が、ポツリと話されたお言葉です。
ご自分でも、「何か変な気がする…」と思っていたとのことですが、周囲が「何を言ってるんだよ!」「もっと元気よくいこうぜ~」とばかりに、ドンドン誘い込まれていく自分がいたとのこと。
しかし、やはり何かがへん? と一人で悩んでいたところ、知人からの一言がきっかけで方向を変えることに。ようやく「何がへんだったかが分かった」というのが、冒頭の言葉…という話です。
不思議なもので、世の中、士業もコンサルタントも、講演業もセミナー講師も、アドバイザーもファシリテーターもアナリストも、テレビのコメンテーターもビジネスタレント…も、みんなひっくるめて「センセー」と一緒くたにして「こうすればいい」と教えられたりしています。
ほんの少し考えるだけでも、「ビジネスの構造が違うのだから、やり方も違うのが当たり前」…ということくらい分かりそうなものですが、「自分のマネをすればいいんだ」とか、「有名になれば売れる!」的な、さながら神の一言?! の電撃の言葉に打たれて、まったく無駄どころが、ますます未来が厳しくなっていくことを一生懸命に行っていたりする訳です。
これが、もともとそっち方向を目指している人…であれば、なんら問題ありませんが、もし「まともなコンサルタント」や、「本物のコンサルタント」、さらには、「年収3千万円を超えて、独自のコンサルティングで活躍したい」…と思っているとしたら、これはもう致命的なミスと言わざるを得ません。
根本が違えていれば、どれだけ後から修正しようとしても、直る訳ありません。まともなコンサルタントを目指すなら、まともな方向性に歩きだす以外、方法はないのです。ここに、「なんとかなるさ~」的な、意味不明のプラス思考で乗り切ろうといくら頑張っても、残念ながら望む結果は永遠にやってきません。構造的に違うものは違うからです。
まともなコンサルタントを本気で目指すなら、重要なことは、「自らの頭で考え、判断・決断をする」という、極めて当たり前のことに真摯に向き合う必要があります。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、「経営には正解がない」のです。正解がない世界で、どうにかしてお客様・取引先に喜んでもらっておカネを払ってもらうことを実現しなければ、ビジネスは終わってしまいます。
ですから、「誰かが決めた正解」に答える…ということにドップリ浸かってしまい、それに疑いすら感じなくなってしまった脳ミソでは、「新たな正解」も、「個性的な正解」も、「この条件だからこその正解」も、「今だからの正解」…も、まったく理解できずに「正解を教えてください!!」ということになってしまいます。
再度言いますが、経営に正解はありません。最小単位であっても、自分のビジネスを展開し、「コンサルティング」という商品で、企業と取引をするコンサルタントは、このことを自分のビジネスでも、そして指導する意味でも、腹の底から分かっていなければ、まったく話にならない…ということです。
このことを真剣に考えるとき、「みんなと一緒」ということが、いかに愚かか…という、実にシンプルな思考にいきつくことになります。
経営で繁栄するためには、「皆と同じ」、「多数派」、「当たり前」…といったことが、ことごとくリスクであり、成功確率を下げることになる…ということを知っていなければなりません。
皆が知っていることに価値はありませんし、皆が言っていることにも価値はありません。当然、値段をつけるとしたら安くなります。皆でやれば怖くない代わりに、抜きんでることもありません。誰かに習ったことを教えるとしたら、当然、皆が知っていることだけに、本質的には何ら価値があるものではないのです。
写真一つでも、皆で一緒に写りたがる人は、その精神性を考えない限り、本物の世界にたどり着くことはありません。有名人と写りたがる人も同様です。個人の趣味の範囲で記念撮影している分には、何ら問題ありませんが、仕事的な要素でやっているとしたら…。
一つハッキリ言えることは、経営者が自社のコンサルティング依頼を考えるとき、「その他大勢の人」と「独自の領域の人」と、どちらに一目おくか…ということです。
あなたが本気で「自分独自のコンサルティング」、「他に替えのきかない素晴らしいコンサルティング」、「自分の人生を本当に活かせるコンサルティング」…を手にしたいと考えるなら、自分の考えを昇華させる方向に、足を向かせることに付きます。
あなたは、他人の代弁者になっていませんか? 自分の言葉で自分のコンサルティングを展開していますか?
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