がんばれコンサルタント! 第231話:一人商売で勘違いしやすい、仕事とビジネスの根本的な違い

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二流に限って、「何でもできる」と豪語する。

 

「いやぁ~久しぶりにコラムに登場していて、ドキッとしましたよ~」── 先週のコラムを配信した後、すぐにご連絡をいただいた「Fさん」からのお言葉です。

「自分みたいな人が、まだまだ本当に多いんですね~」と、言われながらも「F」の文字がでると、本当にドキッとされるとのことで、せっかくなので今週も「Fさん」に登場していただこうという悪だくみです(笑)

Fさんご自身も、「同じような人が多い…」と話されるように、実はこのコンサルタントの業界には、不思議と同じパターンでもがいている人を多く見かけます。

その典型的な兆候は、前回のコラムで書いたように「目の前の表面的なこと」ばかりやっている…というもの。本質的な部分に意識が行かず、いつまで経っても基礎を固めないために、何年たってもまともなビジネスになっていかない…というパターンです。

ちなみに、「仕事とビジネスの違い」をよく分かっていない人が多いのも、こうした方々の特徴です。

広く一般に使われる言葉としては、まあどちらでも構わないと言えば構わないのですが、こと自分のビジネスの展開を考えるときには、これはもう、断然しっかり理解していなければ、とてもではないですが「経営者や企業をコンサルティング指導する」ということなど、夢のまた夢…となってしまいます。

なにせ、ビジネスをしているのが経営者なのですから、指導するというコンサルタントが、そのことすらピンボケであれば、当然お話にならない…ということです。あまりにも当然のことです。

では、どういう状態がよく分からない状態になっているか…と言えば、それはその人のホームぺージを見れば一発で分かります。ポイントは、「売るモノを用意して売っているか」…です。

例えば、趣味でホームページを作っているのならいざしらず、常識的に考えればビジネス系の方であれば営業的に出しているはず。であれば、そこには当然ながら、「自社が提供していること」が掲げられていて当然でしょう。

これはラーメン屋さんなら自慢のラーメンについて、クリーニング屋さんならクリーニングの単価やメニューについて、遊園地や動物園なら園内の施設やサービスについて、メーカーなら製造している製品や技術について、小売店なら取扱商品…などが掲載されているのが普通です。

他にも様々なことが掲載されていると思いますが、基本的に「売っているモノ」がメインでそれに付随する説明や補足が並ぶ…という構図に変わりはありません。

そんなの当たり前でしょ! と聞こえてきそうです。そうですよね、ビジネスですから当たり前ですよね?(笑)

ところが、似ているようでそうではない…、つまり、「当たり前ではない」という場合があります。

例えば、「何か仕事がもらえないかな~」という人のホームページです。手当たり次第に思いつく「こんなことで困っていませんか?」、「こんなこともできますよ」、「まずはご相談ください!」…といった、依頼ならとにかく何でも受けます(応価格相談)…的な表現がその典型的なパターンです。

もう少し分かりやすく言えば、自社が提供するモノとは、言い換えれば「自社が販売する商品やサービス」ということになる訳ですが、それが「具体的にコレ」と提示されていない…という状態を指しています。

これの何が問題かと言えば、基本的なスタンスが、「相手に合わせます!」というものだからです。

断っておきますが、すべてのビジネスにおいて、この「相手に合わせる」のが悪いなどとは言ってはいません。会社や経営者を指導するという、コンサルタント業だから問題だと言っているのです。

自ら指導する仕事だと言っておきながら、「内容はそちっらで決めてください!」と言っているようなものだからです。この支離滅裂さに、本人が気づいていないから大問題なのです。

もう、これがどれくらいのレベルで可笑しなことかと言えば、新人のサラリーマンに「あなたは何が得意ですか?」と訊いて、「言ってもらえれば、何でもがんばります!」と答えが返ってくるようなものです。新人君ならある意味「微笑ましい」かもしれませんが、十年選手やベテラン社員が同じことを言うとしたら…。

 

話を元に戻しますが、「顧客に対して、自社が何を提供して(販売して)どう収益をあげて成長していくのか…」を考えるのがビジネスです。自分が何をして…というのは仕事であることには違いはありませんが、それは一作業であり、決してビジネスと同一ではないことに気付かなければなりません。

Fさんが最初にご相談にお越しになられた時、そのホームページには実にたくさんのメニューが並んでいました。思わず「総合商社目指しているんですか?(笑)」と真面目に聞いたほどです。

もちろん、現在のFさんのホームページは「売りモノ」が実に明確になっています。ご自分がコンサルタントとして提供するモノを、しっかり定められたからに他なりません。そして当然ですが、その売りモノを販売されているので、ビジネスがしっかり軌道に乗って成長発展されているのです。

あなたの売りモノは何ですか? 何かひっかからないかな~なんて思っていませんよね? 仕事とビジネスがごちゃまぜになっていませんか、大丈夫ですか?

 

著:五藤万晶

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