がんばれコンサルタント！ 第650号：コンサルタントのための、２０２５年にスタートダッシュを成功させる秘訣

「ゴトウさん、今年やろうと思っていたことが大体完了しそうで、やれやれですよ…」── ３年ほど前に当社にご相談にお越しになり、その後コンサルタント起業されたお仲間と、先般ご一緒していたときに出てきたお言葉です。

なんでも、年初に予定していた事柄のうち、すべてはないにしろ、大方のことは完了できた…とのことで、早めに大掃除も済ませてスッキリしたとのこと。年末年始は、一年の区切りとして大掃除をして身の回りをキレイに…という習いがありますが、それにしても早いものです。

この次期、今年中にやるべきことをやり切って、そして大掃除も終わらせてスッキリ…となれば、これは気分的にも爽快に違いありません。ある意味、うらやましいですしサイコーだと思います。まるで、重荷をすべて下ろして身軽になったような、晴れやかな気分になったに違いありません。

めでたし、めでたし…と言いたいところですが、果たしてこれで本当に良いのか？ という問題があります。なぜなら、「年末年始は一年の区切りですが、ビジネスにおいては、本当に区切りをつけたほうがいいとは限らない」からです。

ビジネスにおいては、区切りをつけたほうがいいときもあれば、そうでないときもあります。本当にこれで完了…という、大きな方向転換、けじめ、意図的な区切り…といったタイミングには、区切りは極めて有効な方法です。

一方で、脈々と続いていく連続性の中の１タイミングとしての夏季休暇や年末年始だとすれば、むしろ区切りをつけてしまうことで、流れやリズムに狂いが生じる怖さがでてきます。

もっとハッキリ言えば、プライベートな事柄や感情的面のことならいざ知らず、ビジネスにおいてはむしろ、区切りをつけないことによるメリットが大きい…ということです。

特に、年明けからのスタートダッシュを成功させたい、というような局面や重要な仕事などの場合、敢えて区切りをつけないでおくことは有効な戦略となります。

理由は単純です。一度区切ってゼロのような状態になってしまうと、再開するのに時間とエネルギーを要するからです。あたかも、冷え切ったエンジンを始動させるのに暖機運転を要するのと同じです。同じテンションにまで上げるのに、時間もかかる上に「同じところまで戻ってくるかの保証もない」のです。これが怖い現実です。

重要なことは、「わざと少し"仕掛かり"を残しておく」ことです。わざと少しだけやっておく、残しておく…。この中途半端さは、実に気分的には良くありません。

しかし、仕事の再開やスタート時に、スムースに入れるようになるメリットは絶大です。人間の心理として、完全に完了した仕事よりも、少しやり残した仕事の方が、再開時に取り掛かりやすいという側面があるからです。

今年の仕事が完了したのなら、もう一歩だけ、来年やろうとしているところに少しだけ手をつけておく。来年必要な日玉に予約を入れておく。敢えて、途中のものを完了させないでおく。年明けのスタートダッシュを大きく左右すると言っても過言ではありません。

もちろん、やり残したことがあるのは、気になって、気持ちも優れないかもしれません。まるで、心に小さな棘が刺さっているような、そんな感覚に襲われるかもしれません。

しかし、自分の爽快な気分と年明けからのスタートダッシュが成功するのと天秤にかければ、どちらが重要か…という話です。

あなたは来年のスタートダッシュのために準備は万全ですか？
それとも、まだ心の準備ができていませんか？

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