がんばれコンサルタント！ 第648号：コンサルティング商売に重要な「縁」に関する考え方

「ゴトウさんの本を読んで今日は来ました…」── 先般開催した当社のセミナーにお越しになられた方に、名刺交換でご挨拶した際の第一声です。

晴天の土曜日でしたが、遠路東京まで足を運んでいただけたのには、拙著を手にしていただけただけではなく、ほかにも不思議な「縁」が働いていたのだとスグ後に知り、大きな驚きを覚えました。

わざわざ経緯をご説明していただいたからですが、正直、こういった縁が織り成すことに改めて感慨深いものを感じずにはいられませんでした。

というのも、拙著『コンサルタントのための、“キラーコンテンツ”で稼ぐ法』だけでなく、20年前、勤め人時代の編集者のときに手掛けた高額なビジネス書をお持ちになってお越しになったからです。

それも、2004年の発行当時に購入したもの…と言いますから驚きです。大切にしていただいていたとのことですが、まさに時を超えた「縁」としか表現できない心境です。

そのビジネス書を参考にしていただいていた中で、その後、五藤の著作を手に取られた際に「どこかで見た名前だ…」と頭の中でドッキングしたそうです。そのことで、より一層、コンサルティングに興味を抱いていただき、セミナーにお越しにいただいた…と。

人と人、あるいは過去の出来事が意外な形でつながる瞬間というのは、説明のつかない不思議さがあります。

当社では、この「縁」というものをとても大事にしています。なぜなら、人生の大半は「不思議な縁」によってつくられている…と言えば大げさに聞こえるかもしれませんが、実際かなりの部分、それが事実としか言いようがないからです。

第一志望の学校や希望の就職先に入れるとは限らない…といいますか、ほとんどの場合、違っているのが現実でしょう。会社に入っても、どこに配属されるか、何の担当になるかも、選べないことが大半だったりします。

もっと言えば、どんな同僚と出会うか、どんな上司、どんなお客さんと出会うか、これまたわからなかったはずです。

そう、偶然と言えば偶然です。偶然の連続です。しかし、何か良く分からない力、決してオカルトチックに申し上げるつもりはありませんが、単なる偶然を越えたものによって、決められていっている…と考えるべきでしょう。

重要なことは、この偶然を「必然」や「縁」に変えられるかどうか…です。昨今では、「配属ガチャ」や「担当ガチャ」といった、「〇〇ガチャ」という言葉をよく耳にすることがあります。いわゆる自分が選択できない、コントロール不能の不幸などを指して言われたりする言葉です。

しかし、成功した人たちは共通して興味深い発言をしていることが分かります。代表例が、「あの逆境の経験があったから、今がある」といった言葉です。偶然を縁や必然に変えたり、自分の意志による選択を、ゆるぎない縁に変えられるかどうかは、まさに自分次第なのです。

小さなことはもちろんですが、たとえ大変な逆境であっても、自らの意思と努力で乗り越えていくとき、それらは「縁」に変わっていきます。

コンサルティング商売の醍醐味もここにあります。目の前にある難題をクライアントとともに乗り越え、その中で得た教訓や工夫が新たな縁を呼び込む…。このプロセスそのものが、この仕事のやりがいであり、他にはない魅力とさえ言えるでしょう。

重要なことは、こうした縁を「つかむ力」と「生かす力」を養えるか…。それには、まず縁の存在に素直であること、そして縁を感知するアンテナの感度を高めることが不可欠です。せっかくの機会が通り過ぎていってしまうからです。

あなたは、偶然の出来事や逆境を、「縁」に変える努力をしていっていますか？

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