がんばれコンサルタント! 第322話:コンサルタントが絶対知っておくべき、「損」に関する2つの思考軸

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「ゴトウさん、コンサルタントの仕事で難しいものを挙げるとしたら、何がありますか?」── 先日、グループコンサルティングの合間に、尋ねられたご質問の言葉です。

この種のご質問の場合、なかなかお答えが難しいのは、何といってもその方のコンサルタント歴やご質問の意図などによって、答えが大きく違ってくるのですが、ご質問の方は、コンサルタントとして活躍するために独立起業された方です。

5年以上の経験がある方なので、表面的な問いではない…という感じなので、コンサルティングの中で実際におきる難しいものをご説明することに。

何が難しいか…と言えば、ズバリ「捨て去る」ことの決断です。

こういうと、「捨てることが難しいのは分かるけれど、一番難しいとは大げさな!」といった反論される方も結構いらっしゃるのですが、社内でいらない資料や使わない備品を捨てる…といったレベルなら、それはもちろんそれほど難しくないでしょう。

では何が難しいのか…と言えば、事業展開しているものの中で、収益効果が低い、あるいは出てないとかマイナスになっているものを「やめる・捨て去る」ことです。

特に、経営者の想いが強い商品やサービス、創業のときから続いている事業領域や土地がらみのもの、プラスは出ているが先が見込めないもの…などは、決断が非常に難しくなりがちです。

なにせ、決裁権を持っているトップみずからが握っているモノが大半です。これはほとんど「トラの首に鈴をつける」レベルだということは、コンサルティングのご経験がある方であれば、すぐにご理解いただけると思います。

そもそも、「捨てない理由」も、考えればいくらでも出てきます。「これがあったからスタートできた」、「数字は悪いがマイナスではない」、「創業の精神を残すことは重要」、「土地は持っていて別に損はしない」、「やり方を変えれば必ず売れるはず」…など、反論はいくらでも返ってきます。

すべて一理あるので、「捨てなければならない理由」を説明しようとすると、「マイナスだから」とか「損しているから」…といった具合にならざるを得なくなります。これが難易度を引き上げる最大の原因です。

なぜ難易度が上がるか…。理由は単純です。自分がやりたくないことを理詰めされて納得することは、心理的にも極めて抵抗感がある…からです。もっと言えば、「イヤ」ということです。

そして、実はもう一つここには大きな問題が隠れています。それは、損失回避に関しての理屈が、基本的に「コストカット」の考えからされている点です。このため、「マイナスではない…」という反論に窮したり、更なる理屈で押し込もうとして、余計にこじれてしまうことが起きたりする訳です。

重要なことは、人はやりたいこと、やると得できること…には動きやすい、という原理原則があることです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、およそコンサルタントを目指す人で、この原理原則を押さえずに、経営者に決算書や数字で理詰めしようとする人がどれだけ多いことか…。

同じ「損」でも、着目すべきは「機会損」です。何かを握っているがために、機会を得ることが減ってしまう損は、事業展開においては極めて大問題です。簡単な話、手荷物を山のように抱えて足元だけ見ながらソロリソロリと歩いていたら、チャンスの女神が目の前を通り過ぎるとしても、見つけることも捕まえることも不可能ということです。

手元を空けること、目先を見通せる状態にすること、このことは本当に重要です。この実現のために行うのが、「機会損失の回避」であり、「ロスカット」なのです。チャンスをつかむためにロスカットをする訳です。そして優れた経営者、伸びている会社…に共通することは、ロスカットが極めて上手ということです。

頭からムダに意識しているものを取り外す。このことで、より重要なことに集中し、鋭い手が打てるようになります。何年もダラダラと同じことで悩むこともなければ、スグに行動し、判断して、さらにまた次の手を考え実行します。一連の行動の速さの源は、コスト的損失回避ではなく、機会的損失回避なのです。

この思考をクライントに持ってもらえるかどうか。もっと言えばどう持たせるか…ということです。

当然ながら、経営指導する立場のコンサルタントが、この「ロスカット」思考で動けないようであれば、その指導はもはや必然的に「コストカット」思考にならざるを得ません。指導はますます難易度があがる…ということです。

ダラダラと判断の先送りや、実行、決断を延ばして機会損失していませんか?
 あなたは、自らのチャンスを拡大させるために、考え行動していますか? 

 

著:五藤万晶

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