がんばれコンサルタント! 第308話:コンサルタントが知っておくべき、先を読もうとしない人の末路

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「ゴトウさん、あのお二人のように活躍するには、何が重要ですか?」── 先日開催いたしました、当コラム300号記念の特別セミナーの終了後に、仲間のコンサルタントの方々とお話をしていたときの話題の一つです。

ワイワイガヤガヤとお話をしていたときですから、極めて真剣に…というほどでもないかもしれませんが、ゲスト講師にお越しいただいた二名のスペシャルコンサルタントの方に強烈な刺激を受けた後だけに、「よし自分もがんばるぞ!」という気合入れの話題として…といったところでしょうか。

コンサルタントとして活躍する…を実現するには、様々な努力や実務的に踏んでいく手順も数多くあります。それこそ、それをいかに踏み外すことなく確実にコツコツとやっていけるか…で、結果も大きく変わることになります。

しかし、そうしたことは百も承知の上で、あえて重要な一つは何か? と問われたとき、どう答えるか…ということです。その問いには、「考え抜いて答えを出すこと」とお伝えしています。

これは、ゲストのお二人の講師の方もまったく同じことをお伝えされていましたが、「クライアントの側に答えはない。答えは自分が考え抜いて提示しなければならない」── という言葉に、まさに集約されていると言えます。

よく、「まずは、クライアント企業の診断をします。決算書などを見て分析して、どこが問題かを調べて…」といったことを言う人がいます。

もちろん、この言葉そのものがオカシイなどとは申し上げるつもりはありません。その人の職業が何かによって、当然変わってくる話だからです。

ただし、厳然たる事実というものがあります。それは、過ぎ去った過去を見ようとしているのか、それともこれから起きる未来を見ようとしているのか、という違いです。最大の違いは、前者の場合、どれだけ詳しく分析しても、「世の中の変化や空気」は、そこからは読み取ることはできない…という現実です。

例えば飲食店の場合、どれだけ決算書を見ていても、そこには「タバコを嫌う人の気持ち」は一切読み取ることはできません。ご存知のとおり、東京では受動喫煙防止に関する条例が話題になっています。

面白いのは、「喫煙者は少数派」だという事実です。様々な統計がありますが、東京ではすでに喫煙者は14%ほどという数値もあります。全国平均でも20%を切っているとのことで、これはもうどう考えても「タバコ吸う人はマイノリティー」ということです。

喫煙者が過半数だった時代はとうの昔に変っています。権利がどうのこうの…という話はさておき、少なくとも言えることは、タバコを吸わない人が8割以上で、その人たちが「何かしら我慢」している可能性を、なぜ読もうとしないのか…ということです。

先日、ある居酒屋チェーン店が、SNSで大炎上してしまいました。理由は単純で、「全店禁煙にします!」と発表してからほんの1、2週間で、チェーンの中の一店が「ウチの店は吸えます!」と堂々と投稿してしまったからです。

上場もしているような企業が、まさかの「両方に良い顔?」をしようとしたのですから炎上も当然というもの。というより、「タバコが好きではない」という人は、恐らくこの企業を二度と信用しないでしょうし利用もしない、ということです。それが最大8割いるということです。ほぼ致命的と言えるでしょう。

馬鹿馬鹿しい質問かもしれませんが、このことを決算書を見て分かりますか?ということです。原価率が高いだの低いだの、坪単価がどうのこうのはもちろん一つの大事な指標に違いありません。しかし、「世の中の流れ」もっと言えば世相や空気、顧客の心を読み違えば、会社は一発で傾きます。

5年前はおろか、10年前とたいして変わったことをしていない会社が、「いやぁ~景気が悪い」と嘆いている姿は、まさにこの典型例です。街角リポートと称して商店街のお店をインタビューして景気がどうのこうの…というのは、テレビで絵的には分かる話でも、そこには驚くほど「世の中の流れ」や「空気」「顧客の心」といったことと無縁で、しかも新しいことにチャレンジしていない状況があったりします。

見る視点が過去だったり内向きであれば、どれだけ真剣にやろうとも、そこには確実に間違った考えと間違った答えしか出てこない…という末路がやってくるわけです。

ではどうすれば見えない空気を読むことができるのか? お勉強ばかりしている人の最大の弱点はまさにココです。出来上がった過去の数字をどれだけ読もうとしても、空気を読むことは絶対にできません。

しかし、自分の得意分野だけでもいい、自分のフィールドだけでもいい。その特定の分野に関してだけは、ほんの僅かな変化も感じ取るだけのカンを養い、そして空気を、未来を読み取ろうとする必死さこそが重要なのです。クライアントに提示しなければならないのは「答え」だからです。

分析的なことは、ほぼ確実にAIにとって替わることになります。圧倒的に速くて正確だからです。そもそも決まったフォームから特定の比率や数値を取り出したり、異常値を見つけ出すのを、人間がやる方がむしろ「?」と考えるべきでしょう。

毎日の集計を「人間が手計算」するメリットをとうとうと述べたところで、ボタン一つで集計終わる現実のほうがよほどメリットも意味も、そして「考える時間」も生み出せることくらい、小学生でもすぐに分かることです。そのほんの先の延長線の話です。

だからこそ、コンサルタントは「空気」を読み、未来を見て答えを出せるようにならなければならないのです。答えを出すには、それだけの蓄積も必要ですし、自分で体系化した考えが大本になければ、単なる当てずっぽうになってしまいます。

そして何より、指導の根幹となる骨太な考えがなければ、先の居酒屋のように、すぐに風見鶏がごとくひよった手を打ちかねません。こうなると、まさに最悪です。

関係する会社、業界、市場の未来はどうか、空気はどうか…。あなたは空気を読む体制を整え、読む努力をしていますか?

 

著:五藤万晶

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