がんばれコンサルタント! 第173話:結果を出していくために必要な思考軸

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「ゴトウさん、営業戦略を考えてみたんですが、ちょっと見てもらうことはできませんか?」── 本をお読みになられたという方からのご相談のお話です。

弊社では、原則セミナーにご参加された方で、一定のご理解をいただいている方を対象にご相談をお受けしているのですが、熱心に「みてほしい」というご依頼が。。。

たまたま空きができた時間をやりくりして資料を拝見したのですが、残念ながら、これがいわゆる「ヤバイ」パターンの典型例。

何がどうヤバイかと言えば、ズバリ「滅茶苦茶に細かい」という点。数字びっしりで何枚にもわたる計画表。本人的には緻密に…とお考えになった上での資料作成だとは思うのですが、伝わってくることは「数字合わせ」にしか見えない…資料なのです。

こんなに細かく作っても、現実は流動的なので、もっとラフに色々な対策を考えられた方が現実的ですよ…、それと「緻密に考えても、絶対と言っていいほど、そのとおりにならないですよ」…とお伝えしたのですが、返ってくる言葉は、「練りに練った計画だから大丈夫、だからこれで行こうと思っているんですよ…」の返事。

自分で大丈夫! と本気で思っているのであれば、わざわざ人に聞かなくてもいいのでは?と思ったりするのですが、どうも「計画する」ということに対して、本当に実現させていくために必要なことを勘違いされている人が多い気がしてなりません。

色々な方々がお越しになられますし、そのご商売の時間的経過もたくさん見させていただいています。ビジネスですから上手く行くとき、苦戦するとき、様々なことが起こります。

そうした中で、上手く行く方々には、ある一つの共通点があります。それは、「結果を出していくための思考軸が、実にシンプル」という点です。もっと言えば、「必要な結果を出すために、何をすればいいのか?」と、その一点に集中している…ということです。

こう申し上げると、「だから緻密な計画を立てているじゃないか!」と、怒り出すような方がいます。「計画を立てれば上手くいく…」と信じて疑わない人たちです。

計画を立てれば上手く行く…。残念ながら、無い物を生み出し成果を上げていくビジネスの世界に、そのような「何の根拠も無い夢物語」など、一切通用する余地はありません。夏休みの宿題や、資料の作成を毎日何枚ずつやれば20日間で終わる…といった「作業の話」とは、まるっきり次元の違う話だからです。

組織や体制が決まっていて、延長線上で物事を考えることが可能なサラリーマンの世界ならいざしらず、新たなビジネスを立ち上げていく必要がある起業において、数字的計画など、「発奮材料」程度にしかならない…というのが現実なのです。

もし、計画が上手に立てれていればビジネスが上手く行くというのなら、世の中、「起業成功者」だらけですし、再建計画を立てた後に行き詰まる会社なんて、あり得ないハズです。緻密に立てた計画も、プロが見立てた計画も、残念ながら「結果を導きだす力」とは無関係なのです。

一方で、成果をしっかり出し続けている人たちがいます。ご本人に伺えば、「いやぁ~、もう四苦八苦ですよ。必死! でも何とかやれてますよ(笑)」といった言葉が返ってきたりします。

彼らの思考軸は実にシンプルで、「大きな方向性は、腹を据えて考える」その後は、「結果がでるように、そして結果がでるまで、あの手この手を繰り出して、成果をたぐり寄せてくる…」というものです。

緻密な計画を立てることよりも、次の手、その次の手…を抜かりなく準備し、用意していくことに力を注いでいるのも大きな特徴です。いかに優れた計画でも、そのとおりいく保障など、まったく無いからです。

どれだけ緻密に考えても、それは現実をより難しく考えていく方向性の一種であり、そうして作られた数字など、机上の空論にしか過ぎません。成果を上げるために重要なことは「打ち手」以外にないのです。

どれだけ「打ち手を」考え、実現に近づけていくかを純粋に、そしてシンプルに、必死に行動していくのか…。成果を上げる人たちに共通することは、この解を本能的に導きだしている…ということです。

あなたは、夢や成果の実現のために、具体的な打ち手、その次の打ち手、そして行動…を、確実に起こしていますか?

 

 

著:五藤万晶

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